松山英樹はギリギリで予選通過 TBS解説者の芹澤信雄プロは「決勝Rで66、あるいは65を期待したい」


◆米男子プロゴルフツアー メジャー初戦 マスターズ 第2日(12日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC=7555ヤード、パー72)

 【オーガスタ(米ジョージア州)12日】日没順延となった第1ラウンド(R)の未消化分と第2Rが行われた。飛ばし屋のブライソン・デシャンボー、世界ランク1位で22年大会覇者のスコッティ・シェフラー、堅実なマックス・ホーマ(ともに米国)の3人が通算6アンダーでトップに並んだ。大会5勝のタイガー・ウッズ(米国)は首位と7打差、通算1オーバーの22位で決勝Rへ進出し、歴代単独トップの出場24大会連続予選通過を達成した。21年大会覇者の松山英樹(LEXUS)は通算6オーバーで、ぎりぎりの50位で予選通過。初出場の久常涼(SBSホールディングス)は連日の78で通算12オーバーの82位で予選落ちした。

 日本レギュラーツアー5勝、日本シニアツアー1勝でTBSのマスターズ中継解説者の芹澤信雄プロ(64)は予選Rを総括し、決勝Rの見所を語った。松山にはビッグスコアを期待している。

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 強い風が吹き荒れる中、松山選手は予選ラウンド(R)の2日間を通してアイアンショットが素晴らしかった。特に第2ラウンドの難しい11番パー4の第2打は切れ味が抜群でした。

 第1Rでパットが入らなかったことが残念でしたね。4番パー3の第1打でスーパーショットを放ちながら、上から1メートル強のバーディーパットを決められなかったことで流れに乗れませんでした。

 第2Rは、第1Rで入らなかった距離のパットが入り出し、順位を上げてきました。それだけに18番パー4のダブルボギーは痛かったですね。

 ただ、前向きに考えれば第3Rは、コンディションがいい早い時間にスタートするので、ビッグスコアを狙ってほしい。米ツアーでも屈指のショットメーカーであり、調子もいい。パットを決めることができれば、66、あるいは65も期待できます。

 初出場の久常選手は強風に苦しみました。練習ラウンドとは全く違う状況となり、コース経験はゼロに等しい中でのプレーになりました。強気なプレースタイルなのでミスも出ましたが、将来性豊かな選手であると改めて感じました。

 マスターズ史上単独最多の出場24大会連続予選通過を決めたウッズは、さすがでした。オーガスタ・ナショナルGCの隅々まで知っているので、強風の中でもスコアをまとめました。随所にお手本のようなアプローチも見せてくれました。

 体調も戻ってきていることも頼もしい。昨年は足を引きずるような歩きも見えましたが、今年は歩き方もいい。第2日は、第1Rの未消化分と合わせて23ホールのプレーとなりましたが、アップダウンの激しいコースでも最後まで影響がないように見えました。フェード一辺倒で飛距離も戻っています。体調の良さは本人が一番、分かっているでしょう。残り2日間も楽しみです。

 首位の3選手は、それぞれの持ち味を発揮しています。

 2年前のチャンピオンのシェフラーは、そつがないプレーで安定感が抜群。世界ランク1位の実力を見せています。

 デシャンボーは飛距離が異次元。それでいながら、今大会では曲がっていない。シェフラーと同じ組で回った時も同じようにプレーできれば、面白い。

 ホーマはデシャンボーと対照的に派手さはありませんが、堅実。攻めるところは攻める、というゲーム勘もいい。

 決勝ラウンドは穏やかな天候になるという予報なので、さらに、ハイレベルな戦いが見られることは間違いありません。(プロゴルファー)

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