「僕も元気届けたい」めざせ大谷翔平!同郷24歳が岩手勢日本男子ツアー初V 会心パットに「人生で一番」


通算13アンダーでツアー初優勝を果たし、トロフィーを手に笑顔の米沢蓮(カメラ・谷口 健二)

通算13アンダーでツアー初優勝を果たし、トロフィーを手に笑顔の米沢蓮(カメラ・谷口 健二)

◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 最終日(5日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)

 2打差の3位から出た米沢蓮(24)=ティ・エム・プラテック=が6バーディー、1ボギーの65で回り通算13アンダー、逆転で初優勝した。東北福祉大2年の19年5月に1打差2位でアマ優勝を逃してから5年、岩手県出身として日本男子ツアー初優勝者となった。東北福祉大の2学年先輩・片岡尚之(26)=CS technologies=が1打差2位に入った。

 東北福祉大の同門対決は最終18番パー4のグリーン上まで持ち込まれた。2年後輩の米沢は、左ラフ残り150ヤードの第2打を52度のウェッジでピン左2メートルへバーディーチャンスにつけた。しかし、先輩の片岡も簡単に引き下がらない。第2打を右手前バンカーに入れたが、第3打をピタリと寄せてパーセーブした。

 決めれば優勝、外せばプレーオフ。しびれるパットを米沢は、ど真ん中から沈め、初優勝をもぎ取った。

 「最後のパットは人生で一番、緊張した。パットに苦しみ、パットが怖かった時期もあった。その苦しみをすべて払拭(ふっしょく)するつもりで打った。決まった瞬間、人生で一番、気持ち良かった」

 感慨深い表情でウイニングパットを語った。

 東北福祉大2年だった19歳で挑んだ19年5月のアジアパシフィックオープンダイヤモンドカップで倉本昌弘、石川遼、松山英樹に続いて当時、史上4人目のアマ優勝に迫った。しかし、浅地洋佑に1打差2位で惜敗。「あの頃は楽にプレーできていた。それから(21年12月に)プロになって思うようにいかないこともありました」と静かに振り返る。

 1打差で優勝を逃してから5年。今度は1打差で勝ち切った。同時に岩手県出身としてツアー初の優勝者となった。現在も故郷を拠点としている24歳は「岩手県人としてうれしい」と満面の笑みを見せた。

 球界では米大リーグ・ドジャースで大活躍する大谷翔平をはじめ岩手出身選手が活躍している。「大谷選手と同じようにはいきませんけど、僕も岩手のジュニアゴルファーに元気や勇気を届けられるようになりたい」と爽やかに話した。

 「賞金王になりたい。将来は海外でもプレーしたいですね」と夢を語る。一球入魂。岩手アスリートの誇りを持って米沢は白球を打ち続ける。(竹内 達朗)

 ◆米沢 蓮(よねざわ・れん)

 ▽生年月日 1999年7月23日生まれの24歳

 ▽出身 岩手県

 ▽ゴルフを始めたきっかけ 9歳の時、家族で大型家具店の「ニトリ」に行った際、まだ、開店時間前だったため、隣接したゴルフ練習場に行き、初めてクラブを握った

 ▽アマ競技歴 盛岡中央高3年時の17年日本ジュニア6位など。18年に名門の東北福祉大に進学。同年のアジア大会団体戦で金メダル。19年、日本アマ3位

 ▽プロ転向 東北福祉大4年時の21年12月。22年からツアーに本格参戦

 ▽プロツアー成績 これまでのツアー最高成績はアマ時代を含めて2位が3回。昨季、賞金ランク22位で岩手県出身選手として初のシード権獲得

 ▽サイズ 174センチ、80キロ

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