前週の全米女子プロ選手権でメジャー自己最高の2位となり、逆転でパリ五輪切符を獲得した山下美夢有(みゆう、加賀電子)が25日、米国から帰国し、関西空港で取材対応した。国際ゴルフ連盟からは、五輪出場権を獲得した女子60選手が発表になり、日本選手では24日付の世界ランクを基にした五輪ランクで国内最上位の笹生優花(フリー)とともに出場2枠に入った。
多くのテレビカメラ、報道陣に出迎えられた山下は「結構疲れが出たが、1週間楽しくプレーできた。トリッキーで、フェアウェーも狭く、精度が重要になるコース。ショットが安定していて、ショートゲームでリカバリーできたのが要因。目標にしていたメジャーで結果を出せて自信になった」と笑顔を見せた。
フライト中は「全然眠れなかった」と普段とは違うメジャーの最終日最終組の興奮からなかなか冷めなかったという。メジャーでの優勝争いで得た収穫を「コースじたいもすごく難しかったので、割り切ってプレーできた。攻められないホールも海外メジャーでは多い。確実にセンター狙いをしたり。攻めも大事だけど、距離も長かったので、攻めのゴルフもできない。コースマネジメントしないとスコアをつくれない。去年に比べたら少しずつレベルは上がっていると感じる」と明かした。
世界ランクで大会前の4番手(22位)から2番手の19位へと浮上し、逆転でパリ五輪切符をつかみ取った。「こうして代表に選ばれたので、日本代表として頑張りたい。五輪までにしっかりいいコンディションで迎えられるように」と意気込んだ。
五輪のイメージについては「ゴルフ競技はあまり見ていなくて、他の競技を見ることが多かった」という。陸上の短距離を見ていたそうで「五輪ってなったら、(ウサイン・)ボルトのイメージ」と笑った。それでも「特別な大会、なかなか出られない」と位置づける。「(日の丸を背負うことは)すごくうれしいこと」と語り、「毎試合毎試合、その試合で結果を出せるようにやっているので、いいリズムで(行って)、五輪でも結果を出せたらいい。(同学年の)優花と頑張りたい」と見据えた。
次戦は7月11日開幕のメジャー第4戦、エビアン選手権(フランス)。日本女子4人目のメジャー優勝のチャンスに着実に近づいている現状にも「今やりたいことをできるようにしたい」と引き締めつつ、「メジャーで優勝したい気持ちはある」と言った。「まだ足りない部分や直す部分がある。修正して次のメジャーに備えて頑張りたい」と視線を上げた。