山下美夢有、同じ01年生まれ2人のメジャー覇者から刺激 目線は米ツアー「挑戦」から「優勝」へ上がった


◆米女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 AIG全英女子オープン 最終日(3日、ウェールズ・ロイヤルポースコールGC=6748ヤード、パー72)

 米ツアー本格参戦1年目の山下美夢有(みゆう、24)=花王=が初優勝をメジャーで達成した。首位で出て3バーディー、1ボギーの70で回り、通算11アンダー。精密ショットを武器に2日目からトップを守り、日本勢では4月のシェブロン選手権の西郷真央(23)=島津製作所=に続き6人目(7度目)のメジャーVを飾った。19年の渋野日向子(26)=サントリー=以来の全英制覇。賞金146万2500ドル(約2億1600万円)を獲得した。

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 6年前。当時高3の山下は渋野の全英制覇をテレビで見て、世界への思いを強くした。元世界ランク1位の宮里藍さんに憧れ、勝や渋野ら98年度生まれの「黄金世代」がゴルフを志したように、日本勢の好循環は次世代への強化につながる。

 今大会Vの山下は「安定したゴルフができた結果」と振り返り、同じ01年度生まれのメジャー覇者、笹生と西郷から刺激を受けた。各世代やプロテスト同期で競い合った選手の目線は米ツアー「挑戦」から「優勝」へと上がった。77年全米女子プロの樋口から42年の長い月日がかかったが、19年の渋野からわずか6年で5人目の日本勢メジャー優勝。複数の優勝者も2年連続だ。

 「世界で勝つ」をテーマに、日本女子プロゴルフ協会が13年から着手したツアー強化策が実を結んだ。主流だった3日間競技から4日間競技に大幅増。芝やピン位置などコースセッティングは多様化し、スタッツ項目は16年までの7→30に増やした。選手はジュニア時代からナショナルチームで国際経験を積み、練習でも弾道測定器などを導入。ハイレベルな国内ツアーの勝者が米ツアーでそのまま活躍する。今大会初日は日本勢6人がトップ5入りした。

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