「アホなふり」大作戦で�\x9Dの首位 寺岡沙弥香がルーキーVに王手 ミスショットも「わかりませ~ん」


11番、パーセーブして笑顔を見せる寺岡沙弥香(カメラ・今西 淳)

11番、パーセーブして笑顔を見せる寺岡沙弥香(カメラ・今西 淳)

◇女子プロゴルフツアー NEC軽井沢72 第2日(16日、長野・軽井沢72G北C=6625ヤード、パー72)

 7位から出た新人の寺岡沙弥香(22)=フリー=が8バーディー、2ボギーでツアーベストスコアの66をマークし、通算10アンダーで自身初のトップに立った。ミスショットを引きずらない「アホなふり」大作戦が奏功。3週前の大東建託・いい部屋ネットレディスで最終日最終組から28位に終わった悔しさを胸に、入谷響(19)に続くルーキーVへ逃げ切りを図る。65で回った柏原明日架(29)=富士通=が首位に並んだ。

 ホールを追うごとに寺岡の笑顔は輝きを増し、最後に首位を捉えた。18番で3メートルのフックラインを読み切り連続バーディー締め。自身初のトップに「なんか面白い。そういうタイプの人じゃないので、ちょっとビックリ」と、まずはにかんだ。ゴルフはもちろん、トークにも切れがある。「今週はミスショットした時ほど、アホなふりです」。関西弁で明るく言った。

 失敗について考えこむことをやめ「アホになって自分の脳をだます」ことに今大会は挑んでいる。まず1番。絶好の位置からの第2打がピン左方向へ大きくそれた。今までなら引きずる場面も、今週は違う。「なんでミスしたのか、わかりませ~ん!」。5番で短い距離のパーパットを外した瞬間だけ「なにしてんねん」と怒りが沸騰したが、他は「アホ」を貫いた。この日は5回ほど「わかりませ~ん」の復唱でミスを断った。

 「大東建託―」の悔しさをぶつける時が来た。「あの時はあいまいな気持ちでプレーしていた。今週は勝ちたいって思いながらプレーしている。どんな気持ちになるんやろうって、実験してみようと思って」。6月に入谷響がルーキー一番乗りの勝利を手にした。昨年のプロテストでトップ通過を果たしたのが寺岡だった。強い気持ちと適度な脱力感で、大混戦を逃げ切る。(高木 恵)

 ◆寺岡 沙弥香(てらおか・さやか)2002年9月14日、大阪・高槻市生まれ。22歳。大阪学院大高卒。4歳からゴルフを始め、22年の日本女子アマチュア選手権優勝。プロテストは3度目の挑戦となった昨年にトップ通過。今季最高成績はヨネックスレディスの3位。尊敬するゴルファーは宮里藍。趣味は料理。153センチ、62キロ。

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