原英莉花、来季米ツアー昇格をジャンボ尾崎に報告も「ほ~」そっけない師匠に凱旋V見せ「結果で感謝を伝えたい」


カメラに向かって笑顔で手を振る原。約11か月ぶりの国内ツアー参戦となる(カメラ・今西 淳)

カメラに向かって笑顔で手を振る原。約11か月ぶりの国内ツアー参戦となる(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディスホンダ プロアマ戦(9日、静岡・東名CC=6435ヤード、パー72)

 国内女子プロゴルフツアーのスタンレーレディスホンダは10日から3日間、静岡・東名CC(6435ヤード、パー72)で行われる。今季は米下部ツアーで年間ランク5位に入り、来季の米ツアー昇格を決めた通算5勝の原英莉花(26)=NIPPON EXPRESSホールディングス=が今季日本ツアー初出場。凱旋帰国した8日に、師匠で国内男子ツアー94勝の尾崎将司(78)に報告し、9日はコースを回らず練習のみ。弾丸参戦にも、腰痛が癒えて昨季より30ヤード伸びた飛距離を武器に力強く「優勝」を目標に掲げた。

 長身173センチの原が晴れやかな表情で練習場に現れると、周囲の視線をくぎ付けにした。選手や関係者に続々と祝福されると、“エリカスマイル”全開。8日午後に帰国し、大好物の卵かけごはんを食べた原は「全然疲れてないです」。1時間半ほど打ち込み、コースを回らず“ぶっつけ本番”の凱旋試合へ「精いっぱい戦いたい」とうなずいた。

 前夜は、帰国したその足で千葉市のジャンボ邸に直行。尾崎に来季米ツアー昇格を報告した。原は「ハグしてもらいました。私がうれしかった」と興奮気味。師匠の反応は「ほ~、出れんのか」とそっけなく、褒め言葉はなかった。その師匠を驚かせたい気持ちは「あるかも。結果で感謝を伝えたい」と凱旋Vへ決意を新たにした。

 「年齢的にもラストチャンスかな」。昨年12月の米ツアー最終予選会突破を逃し、今季国内ツアーの単年シードを放棄。覚悟を決めて米下部に参戦した。23年に手術した腰の回復や筋トレ強化で、昨季落ち込んだ飛距離は「キャリー(最初に弾むまで)で」約30ヤード増の265ヤードに復調。8月に初勝利を挙げ、平均ストロークとバーディー以上の数はツアー1位に輝いた。「久しぶりにゴルフが楽しかった。昨年まではなかった感覚を取り戻せて、前向きにできた」とほほ笑む。

 米下部ツアーは観客が極端に少なく、芝が荒れたコースや観戦用ロープがない試合も。アマチュアが使う黄色く軽い練習球を使ったり、車移動は「ず~っと山、5時間くらい牧場…みたいな」と10時間に及ぶ移動も日常茶飯事だった。タフな環境下でもまれたが「ありのままの自分で自由に過ごしてた」と自然体を貫いた。

 昨年の最終戦以来となる国内ツアー出場へ「期待されるとソワソワする。普通に見てほしい。やっぱり優勝したい」。狙うは2年ぶりの6勝目。心身共にたくましくなった雄姿で、今年初めて日本のギャラリーを沸かせる。(星野 浩司)

 〇…大会特別協賛のホンダとスポンサー契約を結ぶ元世界ランク1位の宮里藍さん(40)はプロアマ戦にゲストで出場。今季米ツアーでの日本勢の活躍に「飛距離が伸びた。芝のイメージの対応力がすごい」と分析した。また、下部ツアーで好成績を残して来季米ツアー昇格を決めた原に「あえて武者修行して、モチベーションを保つのは難しい。オペレーションやコースコンディションが良くない中で成績を残すのは相当自信になったと思う」と称賛した。

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