高級モデルとして確固たる地位を築いたテーラーメイドゴルフのグローレに新たにGシリーズが登場した。良い評判は聞こえていたが、値段が高いこともあって、グローレを敬遠していた「口だけシングル記者」が千葉・多古町の東京国際空港GCでGシリーズのドライバーを試した。
「無縁」のイメージ かつて、高級モデルと言えばダンロップスポーツのゼクシオの独壇場だった。その後、2012年にグローレが誕生。勢力を増している。「飛ぶ」といううわさは耳にしていたが、手にする機会はなかった。理由は明快。値段が高いから。会社の役職で言えば、部長、あるいはもっと上の“お偉いさん”が使うクラブというイメージだった。45歳、平社員の「口だけシングル記者」とは無縁と思っていた。
秋。絶好のゴルフシーズン到来とともに広告担当のザキヤマ君が“いい仕事”をした。テーラーメイドから「グローレGシリーズ」のドライバーを11月の新発売に先駆けて借りてきたという。「GシリーズのGは『じいさん』のGかな?」とボケた私に対し、ザキヤマ君は「何、言ってるんですか。偉大さ(Great)、荘厳さ(Grand)、優美さ(Grace)のGですよ」とキレた。ともかく、東京国際空港GCで試打することになった。
「ミスの恐怖」軽減 初めて握る高級モデル。グローレの代名詞の白いヘッドは実に構えやすい。私のエースドライバーは黒ヘッド。体積は同じ460ccだが、白ヘッドの方が断然、大きく見える。そういえば…。「口だけシングル記者」は囲碁の碁石のうんちくを思い出した。碁石の直径は白が21・9ミリ、黒が22・2ミリ。膨張色の白は実際より大きく見えるため、黒よりも若干小さく作られているという。本物のシングルやプロとは違い、アベレージゴルファーにとっては、大きいことは良いことだ、と思う。“大きい”白ヘッドによってミスヒットの恐怖が軽減し、安心感が生まれた。
「悠然と振るだけで、想像を超えて飛んでいく」。キャッチフレーズも良い。イメージが良くなる。最近、左への引っかけを乱発していたが、いい感じで力が抜けて、振りやすかった。また、打った瞬間「力が抜け過ぎて振り遅れたかな」と思ったボールも辛うじて右ラフにとどまった。この日、14回のドライバーショットのうち、フェアウェーキープは7回。立派な“5割打者”だ。フェアウェーを外した7発も、そのうち6発は次のショットを打てる許容範囲に収まった。説明書によると、フェース面のヒール側をたわみやすくしたことでドロー回転になりやすく、スライススピンを抑えられるという。なるほど。ボールをつかまえる感覚があった。
「値段」唯一の難点 構えやすさ。振りやすさ。つかまりやすさ。3拍子そろったグローレGはシニアのためだけのものではない。唯一の難点は、やはり価格か。8万8000円(税抜き)。私が3年前に購入したドライバーの2倍以上。やはり、高い…。ため息が出る。ただ、その分の価値はある。発売される11月まで悩み深い日々が続きそうだ。(竹内 達朗)
◆東京国際空港ゴルフ倶楽部 1989年8月オープン。コース設計は佐藤毅氏。高低差が10メートルのフラットな丘陵コース。ベント、高麗の2グリーン。ベントグリーンのバックティーは6724ヤード、レギュラーティーは6300ヤード。パー72。所在地は千葉・多古町船越2599。東関東自動車道・成田ICから約18キロ。予約、問い合わせはTEL0479・76・5101まで。