◆米女子プロゴルフツアー CPKC女子オープン 最終日(23日、カナダ・ロイヤルメイフェアGC=6452ヤード、パー70)
米ツアー本格参戦2年目の山下美夢有(みゆう、25)=花王=が日本勢最速となる42試合目で、歴代4位に並ぶ通算4勝目を挙げた。初日から単独首位を守る完全優勝で今季ツアー最大の9打差をつける圧勝劇。最終日は6バーディー、2ボギーで66と伸ばし通算23アンダー、ツアー最少記録に並ぶ257をマークして今季2勝目。優勝賞金41万2500ドル(約6600万円)を獲得した。69の吉田優利(26)=エプソン=が2位に入った。
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8打リードで迎えた18番も、山下は攻め手を緩めなかった。2打目はピン奥から戻して2メートルにぴたり。バーディーで締めると、2位の吉田優がボトルを手に駆け寄ってきた。「かけてもいい?」の言葉に笑顔でうなずき、シャンパンシャワーを気持ちよさそうに浴びた。「攻めるゴルフをしようと思っていた。こういう形で優勝できてよかった」。最後のバーディーでツアー最少スコア257に並んだ。
初日に飛び出し後続に影も踏ませぬ完全Vで、岡本綾子の61試合を塗り替える42戦目での日本女子最速4勝を記録した。最終日は6打リードから勝利を確実視される状況で「緊張していた」と明かした。2番パー3でバンカーから直接放り込むバーディーを奪い「次につながるショットだった」と硬さがほぐれた。リードを7打に広げてバックナインへ。12番パー5でもしっかりと伸ばし、一人旅を終えた。
連覇を狙った3週前のAIG全英女子オープンで予選落ちし、大粒の涙を流した。「めちゃくちゃ悔しかった」と落ち込んだ。日本に戻って父でコーチの勝臣さんと話し合い「力が入ったスイングになっていた。マネジメントもなかった」と反省点を整理した。「もう終わったこと」と切り替え、すぐに次戦へ始動。スイングプレーンなどの基本を見直し臨んだ実戦で、実力を証明した。
150センチの体で飛距離は望めないが、ティーショットの精度はツアー3位。ボギーを避ける能力は1位の数値が残る。「今週は100ヤード以内のショットがすごくさえた」。得意な距離を巧みに残しながら、コースを完全攻略した。コース内に大量発生し、選手を悩ませた「蚊」にも負けなかった。「本当に多かったけど、それもゴルフなので。楽しんで4日間頑張れた」と笑い飛ばす姿は頼もしい。全英の涙を糧に手にした今季ツアー最大の9打差圧勝。「自信になった」。記録的スコアで歴史に名を刻んだ25歳の表情には、誇りがにじんでいた。
◆米女子ツアーでの日本勢ワンツーフィニッシュ 2012年ウォルマートNWアーカンソー選手権の宮里藍、宮里美香。21年全米女子オープンの笹生優花、畑岡奈紗。24年全米女子オープンの笹生優花、渋野日向子。25年AIG全英女子オープンの山下美夢有、勝みなみに次いで、今回が5度目(日米共催のTOTOジャパンクラシックは除く)。
◆山下が達成した主な記録
▽日本人最速の米女子ツアー通算4勝目 42試合目での4勝目は、岡本綾子の61試合を更新した。
▽初Vから4勝全てが異国 山下は25年8月のメジャー、AIG全英女子オープン(英国)で初優勝、11月のメイバンク選手権(マレーシア)で2勝目、今年6月のメイヤー・クラシック(米国)で3勝目、今大会(カナダ)の4勝目といずれも異なる国。ジャン・ハナ(韓国)に続くツアー史上2人目の珍記録。
▽2シーズン連続年間複数回優勝 86年(2勝)、87年(4勝)、88年(3勝)の岡本綾子以来、日本人2人目。
▽4日間大会最少257ストローク 18年7月のソーンベリークリーク・クラシック(通算32アンダー)での金世●に並び、米女子ツアーの歴代最少。
▽今季6人目の複数回V ネリー・コルダ(米国)の4勝、3勝のジーノ・ティティクル(タイ)、2勝のキム・ヒョージュ(韓国)、ユ・へラン(韓国)、ハナ・グリーン(オーストラリア)に続いた。
◆山下 美夢有(やました・みゆう)2001年8月2日、大阪・寝屋川市生まれ。25歳。5歳から父の影響でゴルフを始める。大阪桐蔭高3年時の19年に全国高校選手権で優勝。同年11月のプロテストに合格し、21年KKT杯バンテリンレディスで日本ツアー初優勝。22、23年は年間5勝で2年連続年間女王に。24年パリ五輪は4位。同年12月の米ツアー予選会をトップ通過し、25年から米国が主戦場。世界ランク7位。150センチ、52キロ。家族は両親と弟、妹。

