一ノ瀬、故郷・熊本へ469万寄付「本当に感謝」チャリティーオークションにプロ仲間続々


チャリティーオークションを呼びかけた一ノ瀬。多くのプロから賛同を得た

チャリティーオークションを呼びかけた一ノ瀬。多くのプロから賛同を得た

 女子プロゴルフの一ノ瀬優希(27)=ミロク情報サービス=が、地震被害に遭った地元・熊本の復興支援のため、5月23日から6月26日まで「熊本応援チャリティーオークション」を「reU funding fromヤフオク!」のクラウドファンディングサービスを活用して実施した。日本男女のプロだけでなく、海外のメジャー王者たちも趣旨に賛同してグッズを無償で提供。約1か月の売上金の全額、469万5225円が寄付される。ほかにもゴルフ界ではさまざまな支援が行われた。

 プロゴルファーの熊本復興支援が活発だ。特に一ノ瀬が呼びかけたオークションは多くの賛同者が集まった。男女プロの豪華な面々がお宝グッズを次々に提供。1週間ごとに出品物は変わり、入札者は落札することで、支援に一役買える画期的なシステムだ。一ノ瀬は「ご協力いただいたヤフオク!さんに感謝です」と話す。

 落札最高額は、石川遼(24)が昨年12月の日本シリーズJTカップ優勝時に使用したサイン入りキャディーバッグで、50万6000円。最多出品の一ノ瀬も総額85万4898円を集めるなど、目標を大幅に上回る総額約469万円の寄付ができることになった。一ノ瀬は「ビックリです。これだけ多くの方々が、協力して下さったのがすごくうれしいです」と感謝した。

 女子選手会長にあたるミーティング委員長の一ノ瀬は、ツアー会場などで女子プロに参加を依頼。男子はマネジメント会社などを通じて賛同者を募り、バッバ・ワトソン(米国)ら海外メジャー王者も参加した。「オークションならグッズを渡して、支援いただく方にも喜んでもらえる。協力して下さったプロには本当に感謝しています」と話す。

 「地元」の大変さを痛感している。4月14日、被害甚大な益城町と同じ上益城郡の御船町にある実家で被災。「恐怖でしかなかった」―。突然の大揺れで物が散乱する床を両親と3人で踏み越えて外へ脱出。翌週からツアーに復帰したが、一度、実家に戻った。「当時はまだ水もトイレも駄目でした。復興にはまだまだ時間もお金もかかると思う。余震は続き、大雨で洪水も起きている。熊本人だからこそ動いていきたい」と強い思いを胸に刻んだ。使途は未定だが、集まった全額が熊本県に寄付される。一ノ瀬は100人以上の落札者全員に直筆でお礼を書き、グッズに添えた。「本当は一人、一人のお顔を見て『ありがとう』と言いたい。これからも長く熊本のお手伝いができれば」と継続的な復興支援を約束した。(榎本 友一)

 ◆商品提供者 青山加織、池田勇太、石川遼、井芹美保子、一ノ瀬優希、上田桃子、大谷奈千代、上井邦裕、木戸愛、小平智、酒井美紀、重永亜斗夢、芹沢信雄、竹村真琴、内藤雄士、永野竜太郎、成田美寿々、西山ゆかり、服部真夕、樋口久子、藤田寛之、本多弥麗、前田陽子、松山英樹、丸山茂樹、宮里藍、宮里美香、宮里優作、宮本勝昌、村口史子、森田理香子、若林舞衣子、渡辺彩香、アンヘル・カブレラ(アルゼンチン)、バッバ・ワトソン(米国)、ルイ・ウェストへーゼン(南アフリカ)。

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