◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアーメジャー第2戦 日本プロ選手権 日清カップヌードル杯第1日(7日、北海道クラシックGC、7094ヤード、パー72)
第1ラウンドが行われ、約5か月ぶりに復帰した石川遼(24)=カシオ=は1バーディー、6ボギーの5オーバー77で114位。6度目の出場となった今大会では自己ワースト発進となった。約3年8か月ぶりにツアー復帰した伊澤利光(48)=伊澤ゴルフアカデミー=は83で143位と大きく出遅れた。首位は8アンダー64で回った武藤俊憲(38)=フリー=。また、宮里優作(36)=フリー=は3オーバー75で首位とは11打差の80位と出遅れ、逆転でのリオ五輪出場は厳しい状況となった。
白樺に囲まれた北海道の名門コースに、女性ギャラリーの悲鳴がこだました。16番。石川の約1・5メートルのバーディーパットがカップに蹴られると「あ~」と大きなため息。続いて約1メートルのパーパットまでカップに蹴られると、「キャーッ」と甲高い声が響いた。09年大会の112位を下回って、今大会では自己最悪の114位発進。「結構苦しかった」と肩を落とした。
5か月間も試合に出なかったのはプロ入り後初。実戦不足の状態でスコアメイクは難しかった。10番からパー発進したが、11、12番はともに第1打を左のラフに入れてにボギー。「アイアンの距離感が合わなかった」。無風に近かった午前とは違い、石川がスタートした午後は最大瞬間で8メートル近い強風が吹いた。天気にも翻弄された。
2月に米国で腰を痛め、約6週間はクラブを握れなかった。4月下旬から本格的にショット練習を再開。「左への体重移動が大きすぎて、体の負担もあった」と、負担が少ない新打法の習得に取り組んだ。スイング改造から2か月足らず。まだ納得のいくレベルには到達していない。
ここまでの時間は決して無駄ではない。4月以降は腰痛を再発しない体を目指し、体幹や筋力トレーニングに励んだ。北川尚史トレーナーは「胸回りやお尻回りは(休養前より)ひと回り大きくなった」と明かした。肉体改造には成功したが「試合ではアドレナリンも出て飛びすぎた」。新たな肉体を使いこなすには、試合数をこなす必要がある。
13番パー3では、残り約10ヤードの2打目をフワリと上げてチップインバーディー。天才的なロブショットでファンを沸かせた。「痛みは全くなかった。諦めずにやりたい」。石川が不安を抱えながら、再出発の第一歩を踏み出した。(高橋 宏磁)
◆石川の復帰までの道のり
▽2月 米ツアーのフェニックスオープンで腰痛を発症。5日に予選落ちしたこの大会から試合を離れる。
▽3月 20日に公式サイトで症状が椎間板ヘルニアの一歩手前の「腰椎椎間板症」だったことを明かし、長期離脱を示唆。
▽4月 14日からの国内開幕戦・東建ホームメイトカップから合計3試合のテレビ解説を務める。また、中旬から練習を再開し、その後、ドライバーのショット練習も再開。