【トルーン(英国)13日=榎本友一】男子ゴルフのメジャー第3戦、全英オープンは14日から4日間、ロイヤルトルーンGC(パー71、7190ヤード)で行われる。リオデジャネイロ五輪代表を辞退後、初戦となる松山英樹(24)=LEXUS=は「今まで通りメジャーと残りの試合を頑張るだけ」と日本男子初のメジャー制覇への再出発を宣言。メジャーでは世界で最も短いといわれる8番パー3(123ヤード)の名物ホール「ポステージ・スタンプ(郵便切手)」などを警戒した。
天候激変 大西洋を望む難コースで再出発を切る。松山は13日早朝、虹がかかる下で東北福祉大の先輩・谷原とともに練習ラウンド(R)を開始。風が強く、曇り、雨、晴れと全英特有の変わりやすい天候の中で最終調整した。グリーン手前からパターでのアプローチも披露。全英名物のポットバンカーやブッシュからのリカバリーも練習し「このコースで、いいスコアで回れるように準備するだけ。風向きによっては難しくなる」と冷静に最終準備を済ませた。
世界最古の大会からメジャー制覇に対して強い責任感を持って臨む。4日に苦渋の決断の末、リオ五輪代表辞退を表明。12日の練習R中に丸山茂樹リオ五輪日本代表ヘッドコーチ(HC、46)と再会した。「英樹から『大丈夫でしたか』と心配してくれた」と丸山HC。松山は「今まで通り、メジャーと残りのツアーを頑張るだけです」と力を込めた。
4年連続4度目の出場。全英は毎年コースが異なるため「自分が感じたことが一番大事」と異例とも言える多さの練習Rを積んだ。9日に12ホール、10、12、13日は1Rして計66ホールを回った。「8番と11番が要注意。ティーショットのブラインドを含めて、どちらの風が吹いても難しいですね」と警戒を強めた。
切手注意 8番は世界的な名物ホールだ。打ち下ろしで、横幅9ヤードしかない縦長のグリーンは、ティーグラウンドからは起伏などで「郵便切手」のように小さく見える。風の影響も受けやすく、グリーン周りにはポットバンカーが潜む。松山は13日はピン右6メートルに乗せたものの「6アイアンからピッチングウェッジまでいろいろ」と第1打のクラブ選択の難しさも告白した。
コースに応じたセッティングも整った。強風と硬いフェアウェー対策で、ソール形状の異なる2本の3アイアンをテストした。「時差ぼけが治らない。それ以外は順調です」と松山。日本の怪物は、強い思いを内に秘めてティーオフする。