◆男子プロゴルフツアー フジサンケイ・クラシック第2日(2日、山梨・富士桜CC、7524ヤード=パー71)
2位から出た2009、10年大会覇者の石川遼(24)=カシオ=が5バーディー、4ボギーの70で回り、通算4アンダーで首位と3打差の3位。前週のRIZAP・KBCオーガスタに続く自身初の2週連続優勝へV圏をキープした。前週は石川と優勝争いの末2位のブラッド・ケネディ(42)=オーストラリア=が7アンダーで単独首位。上位6人のうち日本勢は石川だけとなった。
米ツアーで鍛えた精神力で、石川が優勝争いに踏みとどまった。「ショットが良くなかった。今日はメンタルの部分でスコアに貢献できたかな」。ショットが好調だった初日とは一変した我慢のラウンドを乗り越えた。
「13番と14番が一番のヤマ場だった」。出だしの10番で3パットのボギーをたたくと、12番でもパーオンを逃してボギー。13番では「ここからパープレーに戻せたら優勝できる」と言い聞かせ、第2打を30センチに寄せてパーをセーブした。
前の組の進行が遅れ、続く14番まで約5分の待機を余儀なくされたが「(思考の)スイッチを完全にオフにしていた」という。ティーグラウンドに立って、ようやくスイッチオン。この日はティーグラウンドが前に出て285ヤードと短くなったパー4では、3ウッドで1オンに成功した。7メートルのイーグルパットはカップに蹴られたが「ひとつの球筋しかイメージせずティーに行けた。今日で一番いいショットだった」と自賛した。ここから18番までの5ホールで4つスコアを縮めた。
思考スイッチの操縦法は、サスペンデッドや中断が多い米ツアーで習得した。米挑戦当初は、中断中も「ずっとヤーデージブックを見たり素振りをしていた」とオンにしたままだった。しかし、周囲の選手が「だらけていても再開したら集中する」と気づいた。「今はオン、オフを大事にしている」と気持ちを自在に切り替えられるようになった。
ホールアウト後は「昨日は良かったのに今日は後戻りしちゃった」というスイングを修正しようと、他のどの選手よりも長い約2時間の打ち込みを行った。本来のショットを取り戻せば、自身初の2週連続Vが見えてくる。(勝田 成紀)