石川遼が苦しみながら単独首位キープ、17日に25歳の誕生日


通算12アンダーで首位をキープし、同組の片岡(右)と談笑しながらフェアウェーを歩く石川

 ◆男子プロゴルフツアー ANAオープン第2日(16日、北海道・札幌GC輪厚C、7063ヤード、パー72)

 ホストプロの石川遼(CASIO)が苦しみながらも単独首位を守った。6バーディー、3ボギーの69。24歳最後のラウンドをアンダーパーで回って通算12アンダーとし2位と1打差をキープした。短いパットへの不安を終盤克服。過去10年の経験を生かして24歳最後の日を締めくくり、21年ぶりの大会連覇を狙う。1打差2位にブレンダン・ジョーンズ(41)=豪州=。

 後半から気まぐれな強風が吹き荒れた第2ラウンド。石川は、時にふらつきながら懸命に前へ進んだ。一時14アンダーまでスコアを伸ばすも、後半に3ボギー。単独首位を守るも終盤にスコアを落とす内容に「やるべきことができていれば12アンダーではなかった」と悔しさをにじませた。

 嫌な予感が的中した。スタート直前の練習で、逆手(右手が上になる)で打った短いパットが2度もカップに蹴られた。直後、順手に握り直し練習したが納得いかない様子。1番グリーン上では両方の握りで素振りした。結局は全28パットを逆手で打ったが、迷いがあるようにも見えた。11番で約1メートルを外しボギー。12番は約1メートルのバーディートライを外した。「12番は完全にミス。順手が良くなれば順手にしたい。まだまだ練習中です」。発展途上であると認めた。

 強風でグリーンは乾き、速くなっていた。終盤はピン位置も難しい。このまま低空飛行かと思われたが、14番でエンジンを再点火。残り約85ヤードの2打目を80センチに寄せバーディーだ。24歳最後のラウンドを69で終えると「苦しい場面を乗り越えるためにはメンタルが重要。この10年、世界のどの選手よりいい経験をさせてもらった」と胸を張った。

 過去10年、輝かしい歴史を刻んできた。07年に15歳でツアー最年少Vを飾り翌年プロに転向。09年は18歳で史上最年少賞金王に。腰痛で約5か月も戦列を離れながら8月に通算14勝目を挙げた男は17日、25回目の誕生日を迎える。「この10年でマックスまで成し遂げたい。(4大)メジャーで優勝するのが夢」。大きな夢に向かうためにも、25歳最初の試合は最高の結果で終わりたい。尾崎将司以来21年ぶりとなる大会連覇という名の“目的地”に、必ずたどり着く。(高橋 宏磁)

  ◆石川の初日から単独首位キープ

 優勝した2009年の「サン・クロレラ クラシック」以来、約7年ぶり。同大会では初日65、2日目68で通算11アンダー。2位に1打差をつけて3日目を71で回ると最終日に67で回って完全優勝を飾った。

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