◆女子プロゴルフツアー 報知新聞社後援ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 第1日(23日、宮城・利府GC、6551ヤード=パー72)
ツアー屈指の美女プロ・香妻琴乃(24)=サマンサタバサ=が7バーディー、ボギーなしの7アンダー、65で初の首位発進を決めた。男子プロの弟・陣一朗(22)=フリー=が、チャレンジツアーで全く同じスコア7バーディー、ボギーなしの65で初優勝を飾った日に、姉も大事なホステス大会で好スタート。ツアー通算20勝の李知姫(37)=フリー=が、2打差の2位につけた。
曇り空の下、悲願の初優勝を目指すホステスプロが最高のスタートを切った。グリーン上で、愛らしい香妻スマイル。ボギーなしで今季自己ベストスコアの65に「パットが良くてバーディーが取れました。まだ優勝したことがないので明日からも、1ホールずつ1打、1打に集中して頑張りたいです」と力強くうなずいた。
パットがさえ渡った。この日最少の計23パット。1番で4メートル半、2番で2メートル、5番で6メートル半、8番で奥カラーから5メートル半を沈めて伸ばして首位に立った。約3週間前に「ストロークのリズムが速くなっていたので、ゆっくりやるイメージ」に変更。一気に復調した。
持病の腰痛もあり、開幕後14戦で10度の予選落ち。6月末、試合会場でプロ転向時から指導を受けるシニアプロ・中島弘二コーチ(71)から初めて雷が落ちた。「死んでも(ショットを)曲げるな!」―。それで「気持ちが足りないんだ、と気付いた」と香妻。自信を取り戻して以降11戦で2度の8位を含め8度の予選突破と復活した。今季賞金ランクは56位。3年連続となる50位以内の賞金シード確保が目標だ。
今大会前、中島コーチはショットの軌道修正を施し、この日もプレーを見守った。「(香妻は)完璧主義なところがあって考え過ぎていた。今季前半戦は手前、手前でピンを攻める姿勢がなくなっていたんです。今日は全体的に安定していましたね」と目尻を下げた。
ラウンド直後、香妻は関係者から弟のチャレンジツアー、エリートグリップ・チャレンジでの1打差逆転初Vを聞いた。「それが一番うれしい」とほほ笑んだ。毎年大みそかに家族4人でゴルフをする仲良し一家だが、3月の開幕後は弟と連絡はあまり取っていないという。「すごい刺激になった。弟も頑張っているんだな、と」と優しい姉の顔を見せた。ジュニア時代から愛用するダンロップスポーツの冠大会で、“姉弟同週初優勝”に挑む。(榎本 友一)
◆香妻 琴乃(こうづま・ことの)1992年4月17日、鹿児島・鹿屋市生まれ。24歳。同郷の横峯さくらの父・良郎さん主宰の「めだかクラブ」で3歳からゴルフを始める。宮崎・日章学園高に進んで10年の日本ジュニア2位。09、10年はナショナルチーム入り。11年プロテスト一発合格。下部のステップアップツアーで2勝。14年はサマンサタバサ、ミズノクラシックで自己最高の2位となるなど賞金ランク19位。昨季は同48位。家族は両親と弟。157センチ、51キロ。血液型A。
◆香妻弟が逆転V
男子ゴルフのチャレンジトーナメント、エリートグリップ・チャレンジは23日、群馬県の初穂CC(7196ヤード、パー72)で最終ラウンドが行われ、2位で出た香妻陣一朗が65をマークして通算13アンダー、131で逆転優勝した。初日首位だった宮里聖志は70で回り通算9アンダーで9位。