◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディス第1日(7日、静岡・東名CC、6586ヤード=パー72)
前週の日本女子オープンをアマチュアで史上初めて制した畑岡奈紗(なさ、17)=茨城・ルネサンス高3年=が4バーディー、1ボギーの3アンダー、69をマークして1打差4位で発進。大会最注目組でトッププロ顔負けの好プレーを披露し、野生の鹿も魅了した。第2ラウンドは、1988年のツアー制施行後、最年少優勝記録を持つアマ・勝みなみ(18)=鹿児島高3年=と同組で、アマ優勝者同士のツアー史上初のアマ同組対決に臨む。
プロ顔負けのプレーに富士山の麓に大歓声が響いた。史上最強アマ・畑岡がロケットスタートを切った。圧巻は1番だ。最も大きな拍手を浴びるとジャンプ。冷静にリラックスして、第1打を豪快に右フェアウェーへ。今季賞金ランク1、2位のイ・ボミ、笠りつ子の同組プロ2人をオーバードライブしてみせた。
ボミ「球がすごく強いし、飛ぶし、プロになっても良い選手になると思う。風があってもうまくできる。私の17歳の頃よりすごく上手。しっかりマネジメントもできてる」
残り128ヤードから9アイアンでの第2打を、ピン右2メートル半につけ、いきなりバーディー発進。「(大喝采は)うれしかったです。ジャンプはルーチン。気負いもなく、緊張もなかったです」とマイペースを貫き、歴史的快挙を成し遂げた前週の勢いを持続した。
笠「全く動じることがない。ミスが少なくてリカバリーもしっかりできる。ドライバーも、アイアンも力強いし、パターもうまい」
7番では珍客も出現。野生の鹿が、左ラフの辺りからグリーン上の畑岡組を見つめた。動物が苦手な畑岡は「ビックリしました」とグリーン上で苦笑い。それでも、続く8番では残り38ヤードからウェッジでの第3打を2メートルにつけ、同組で唯一伸ばし、トッププロ2人と堂々の伸ばし合いを演じた。
快挙から6日間、17歳は極度のストレスに襲われていた。第1R前日の6日夜、アマ日本代表チームの栖原弘和トレーナー(31)が宿舎を訪問。約1時間、全身をほぐすと、肩甲骨周りに強い凝りがあり「急に注目されたストレスで胃が痛んでいるようでしたね」と明かした。2年間見てもらっているトレーナーのケアを受けた畑岡は「昨日まで体が回りにくかったのが改善されました」と好ショットを連発し、感謝した。
史上初のアマ2勝目に向けて首位と1打差4位発進だ。「もう少し第1打の正確性を上げたい。チャンスがあったらつかみたい」。第2Rは同世代を代表してきた勝との同組対決。この夜は「ココスのトマトスープスパを食べに行きたいです」。最強アマ決戦に向け「勝負飯」で英気を養った。(榎本 友一)