◆男子プロゴルフツアー マイナビABC選手権第1日(27日、兵庫・ABCGC、7217ヤード=パー72)
ツアー通算19勝の谷口徹(48)=フリー=が5バーディー、2ボギーの69で回り、3アンダーで首位と3打差の10位発進した。前週は予選ラウンドで同組となり、通算4勝目を挙げた小平智(27)=Admiral=からスイングの技術を吸収。「師匠」と呼ぶ21歳年下の影響で復調したショットを武器に約4年ぶりの白星を狙う。マンデー予選会から出場権を得た韓国の任成宰(イム・ソンジェ、18)が6アンダーで単独首位。
谷口は強風の中でも好ショットを連発した。10番で残り160ヤードの第2打をピンそば1メートルにつけてバーディーを奪うなど、69で回って3アンダー。「小平にかなりの“上から目線”で助言をもらった。師匠ですわ」とうれしそうに笑った。
9月以降は7試合中4度の予選落ちで「はよ、シーズン終わらんかな」と悩んだが、前週の小平とのラウンドをきっかけにショットが復調。通算4勝目を挙げた27歳のヘッドの開閉を抑えたスイングに「曲がることをみじんも感じさせない」と驚いて取り入れた。
前夜(26日)は神戸市内で27歳の小平と薗田峻輔、28歳の永野竜太郎にカモ鍋をごちそうし、ゴルフ談議に花を咲かせた。ミシュランガイドにも載る高級店に若手を誘う「谷口会」は、この大会前の恒例行事。一夜明けて「僕が教えたおかげ」と親しみを込めて話す小平に、谷口は「褒めちぎったらテングになっとる」と冗談交じりに突っ込んだ。
12年日本プロVで来季までのシード権を持つが、賞金ランク64位で同年10月以来勝利がない。「ゴルフが楽しい。(順位が)上でやれるようになってきた」。年下の師匠に学んだベテランが区切りの20勝に挑む。(浜田 洋平)