松山、単独首位守るも7アイアンがグニャリ!


13番ショートホール、1打目をバンカーに入れた松山英樹は、ガックリしながら7アイアンを地面についてクラブシャフトを折ってしまう

13番ショートホール、1打目をバンカーに入れた松山英樹は、ガックリしながら7アイアンを地面についてクラブシャフトを折ってしまう

 ◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ第2日(11日、静岡・太平洋C御殿場C=7246ヤード、パー72)

 世界ランク7位の松山英樹(24)=LEXUS=が終盤、本来の精度の高いショットを取り戻して7バーディー、1ボギーの66で回り、通算13アンダーで単独首位を守った。13番でミスショット後、7アイアンが折れたが、14番から3連続バーディーで単独首位に再浮上した。過去、日本ツアーで予選2日間を首位で終えれば4戦3勝。今季2勝目となる通算8勝目が見えてきた。韓国の朴相賢(33)=フリー=が2打差の2位。

 悪天候で姿を見せない富士山にかわって、松山は観客に雄姿を見せた。「上がり5ホールは良い形でプレーできました」。最終18番、1メートルのバーディーパットを沈めて安どの表情を浮かべたのは、13番パー3のアクシデントを乗り越えたから。7アイアンでの第1打をグリーン左手前のバンカーに入れ、前のめりにガックリした。90キロの体重が乗ったアイアンはくの字にグニャリ。「悔しくて体重を乗っけたんですけど、重過ぎましたね。今後ああいうことはないように、次からはミスショットしても穏やかにいきたいなと思います」。会見場で巨体を揺らし、報道陣を笑わせた。

 バッグの中のクラブはパターを抜いて残り12本。「17番、18番で(7アイアンを)使うかな?と思ったけど、たまたまなかったので良かったです」。かえって集中力が増したのか、直後の14番から高精度のショットがよみがえった。14番は残り123ヤードからピッチングウェッジでの第2打を右1メートル半につけた。15番は残り97ヤードからサンドウェッジでの第2打を1メートルへ。16番は残り157ヤードから9アイアンで右1メートルへ運んだ。3連続バーディーで、単独首位に浮上した。

 寒さもあって古傷の左手首にはテーピングを施し、トレーナーのケアを受ける場面もあった。3週前には気温30度以上のマレーシアでプレー。寒暖差も激しく、体調は万全ではないが「ボギーを打たなければチャンスは来ると思ってやっていました。それが最後の5ホールにつながったかな」と第一人者としての意地と責任感をにじませる。

 日本ツアーで予選2日間とも60台で回った試合は2戦2勝。2014年6月のメモリアル・トーナメントではドライバーが折れたが、米ツアー初優勝をつかんだ。記録やハプニングは、今季2勝目への吉兆ともいえる。(榎本 友一)

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