【メルボルン(豪州)22日=浜田洋平】男子ゴルフの国・地域別対抗戦・ISPSハンダゴルフワールドカップ(W杯)は24日から4日間、当地のキングストンヒースGC(7111ヤード、パー72)で行われる。松山英樹(24)=LEXUS=と石川遼(25)=カシオ=がコンビを組む日本は、米ツアーの公式サイトで発表された優勝予想で2位に入った。世界ランク6位の松山は、22日に地震と津波に襲われた第2の故郷への思いを胸に戦う。
松山は黙々と課題を埋めていった。「ショットはだいぶ、昨日よりはましになったかなと思うけど、パターがまだ不安」。練習ラウンドはせず、パターを1時間、ショットとアプローチに1時間をかけて軽めの調整。最高気温が21日の35度から20度も下回った雨の中、前日まで体中に群がったハエも少なくなった。
米ツアーの公式サイトが発表した優勝予想では、地元での連覇を狙う豪州に次いで2位。直近5試合で3勝を挙げた松山の好成績とともに紹介された。前評判の高さに「僕自身にも期待しているし、遼にも期待している」と胸を張ったものの、すぐに「期待されているのは分かっているけど、ここ1か月の成績は関係ない」と気を引き締めた。
胸に秘めた思いがある。この日の朝、東北福祉大時代を過ごした宮城など東北地方が最大震度5弱の地震に見舞われた。インターネットの速報に流れる「津波警報」の文字。「3・11」も豪州で合宿中だった。「(日の丸を背負うことを)あまり意識しすぎても良くないと思うけど、きょうの朝も地震があって津波があった。それを考えると嫌でも意識しないといけないけど、しっかり自分たちのプレーをやって、それが最終的にね」。どうしても胸が締めつけられる。被災者を思い、自分がやるべきことに集中し、奮闘や吉報を届けられればいい―と考えている。
13、15年に世界選抜としてプレジデンツカップに出場したが、日本代表はプロ転向後、初めて。世界ランクは今大会出場選手中最高の6位。「初日の1打も最終ホールの1打も変わらないと思う。その1打を大切にしていきたい」。14年ぶり3度目の優勝へ、日本のエースが日の丸を背負う覚悟を決めた。(浜田 洋平)