【日本S】逆転の遼、7差後退でも連覇へ「スコアを出すしかない」


笑顔でラウンドする石川遼(右は趙炳旻)

笑顔でラウンドする石川遼(右は趙炳旻)

 ◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアーメジャー最終戦 日本シリーズJTカップ第2日(2日、東京・東京よみうりCC、7023ヤード=パー70)

 16位で出た昨年覇者の石川遼(25)=カシオ=は3バーディー、1ボギーの68で回り、通算2アンダーで14位に浮上したが、首位との差は5から7に広がった。松山英樹(24)=LEXUS=に刺激を受けて逆転での連覇を狙う。賞金王争いは、賞金ランク2位・谷原秀人(38)=国際スポーツ振興協会=が首位から4位に後退。賞金ランクトップの池田勇太(30)=日清食品=は1つ順位を落としたが、谷原との差を1打縮めた。

 白球が青空へ突き抜けた。左ドッグレッグの7番第1打。石川がドライバーでかっ飛ばした球は、左の林を越えてフェアウェーのど真ん中に転がった。残り65ヤードの第2打をピン左2メートル半に乗せてバーディー。「スコアを出すしかない」。ラウンド後、逆転Vを見据えた言葉に熱がこもった。

 5打差を追うため、リスク覚悟で攻めた。やや逆風のため、球が戻され、林の近くに広がるバンカーや谷に落ちる可能性は高かったが、「右(奥ラフ)にいくことはない」と風を逆手にとった。ピンを狙いやすい距離に置いて作戦成功。初日42・86%のフェアウェーキープ率は、全体5位の71・43%に。上り調子のドライバーを頼りに戦い抜いた。

 松山と日本代表で出場した前週のISPSハンダ・ワールドカップは、ともに調子を崩して6位。成長を誓い合い、松山はヒーロー・ワールドチャレンジ(バハマ)で初日を1打差2位で再出発した。「刺激をもらえる。それはどこでプレーしていても同じ。さすがだなと思う」。大会中、絶不調だったパットの復調を目指す松山に練習場で歩み寄り、球をセットしてサポートした。「世界のトップ選手でも苦しむ時があるんだなって。だけど、英樹は調子が良くても悪くても、自信を持って打っていた」。大切なのはどんな逆境でも努力を信じること。世界ランク6位の戦友の武器を肌で実感した。

 首位と7打差の14位。過去2度、残り2日での7打差逆転Vを演じた。昨年は3日目に63を出して優勝に結びつけた。「(残り2日のスコアは)63、63くらいが必要。修正できれば、あしたは全ホール、チャンスになる可能性がある」。ラウンド後は約1時間半、アイアンショットを中心に打ち込んだ。苦しい戦いが続くが、諦めない。1年前のVスコアを再現し、奇跡を起こす。(浜田 洋平)