◆米男子プロゴルフツアー フェニックス・オープン第1日(2日、米アリゾナ州TPCスコッツデール)
昨年大会覇者で米通算3勝の松山英樹(24)=LEXUS=が、男女通じて日本人史上2人目の米ツアー同一大会連覇へ好発進した。6バーディー、ボギーなしの6アンダー65をマーク。日没で9人が競技を終えられなかったが、首位と1打差の暫定2位につけた。64で回ったマット・クーチャー(38)=米国=が暫定首位発進した。
安定感抜群の“横綱ゴルフ”でV2へ滑り出した。米ツアー公式サイトで優勝候補の筆頭に挙げられる松山は、優勝した昨年と同じ65での発進に「ショットはだいぶ良くなった。ボギーなしは良かった」とホッとした表情を見せた。過去2週はショットに苦しんだが今週は修正。風も穏やかな早朝スタートでミスなく6バーディーを量産し、米ツアーの日本人では岡本綾子以来2人目の大会連覇を視界にとらえた。
3年連続でトップ5入りと、コースとの相性はすこぶるいい。本人は「なぜなのか分からない」と、米メディアの質問に苦笑いで首をかしげた。それでも「グリーンを外さなかったのが良かったと思う」。1番以外は全てグリーンをとらえ続け、パーオン率は94・44%で1位。昨年もパーオン率は77・8%で1位となっており、世界屈指の高精度を誇るアイアンが順位を押し上げる原動力だ。
米ツアー本格参戦4年目の落ち着きも光った。初日から10万3420人の大観衆が詰めかけたが「緊張もなく普通にやれた」。出だしの10番で2メートル半につけてバーディー。13、15番と2つのパー5で着実に伸ばすと、18番でも2メートルを沈めた。後半も安定したプレーを続け、パー5の3番は残り238ヤードの第2打を4アイアンで7メートルに乗せてバーディーを奪った。
世界ランク5位は今大会出場選手で最上位。メディアや選手からも“追われる立場”となっているが、プレーに集中している。「(ショットは)だいぶ良くなったけど、まだ1日だけ。お先で(パットを)入れられるような“ベタピン”はなかった。もう少し良くなればもっと伸ばしていける」。世界トップの誇りと責任感をにじませ、いつも通り頂点だけを見据えている。