スピース「優勝したい。それが究極の目標だ」昨年マスターズは最終日に悪夢


ジョーダン・スピース(ロイター)

 ◆米男子プロゴルフツアー第81回マスターズ(6日開幕、米ジョージア州オーガスタナショナルGC)

 世界ランク6位のジョーダン・スピース(23)=米国=が15年以来の大会制覇に挑む。昨年は3日目まで単独首位を走っていたが、最終日の12番パー3で「7」をたたき、ダニー・ウィレット(29)=英国=にVをさらわれ2位に終わった。初出場の14年から2位、優勝、2位とコースとの相性は抜群。マスターズ2勝目の最年少記録更新を目指す。

 スピースが昨年の悪夢の雪辱を期し、誰よりも強い気持ちでマスターズに臨む。4日に9ホールの練習ラウンドを行い「優勝したい。それが究極の目標だ。世界一好きな大会だからワクワクしている。この場所、この1週間を心から楽しむよ」と力を込めた。

 昨年は初日に66をマークし、最終日も通算7アンダーまで伸ばす独走態勢でハーフターンした。完全優勝で史上4人目の連覇かと思われたが、12番パー3でオーガスタの魔女に襲われた。第1打がグリーン手前の斜面から小川に入り、打ち直しの第3打も「何をしてしまったのかわからない」と大ダフリで再び小川へ。「7」をたたいて優勝を逃し、表彰式では前年覇者としてウィレットにグリーンジャケットを着せる辛い役目を担った。

 今年は2月のAT&Tペブルビーチ・プロアマで通算9勝目を挙げ、抜群の相性を誇るオーガスタに乗り込んだ。過去3年間の成績は2位、優勝、2位。14年大会第1ラウンド(R)から昨年大会第1Rまで、初出場からは史上初となる9R連続アンダーパーをマークした。15年は初日から首位を走り、史上5人目の完全Vで圧勝。97年のタイガー・ウッズ(21歳104日)に次ぐ、21歳259日と2番目の若さでグリーンジャケットに袖を通した。

 今大会で勝てば、帝王ジャック・ニクラウス(米国)が持つマスターズ2勝目の最年少記録(25歳2か月)を更新する。「想像力がわくコース。僕には有利だね」。20年東京五輪出場にも意欲を示す23歳には、勝利しか見えていない。

 ◆ジョーダン・スピース 1993年7月27日、米テキサス州ダラス生まれ。23歳。ジュニア時代から頭角を現し、16歳で初出場した米ツアーで16位に入る。テキサス大在学中の12年にプロ転向し、13年のジョン・ディアクラシックで初優勝。米ツアー通算9勝。15年はマスターズ、全米オープンとメジャー2連勝。185センチ、84キロ。家族は両親と弟、妹。

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