桃子涙…POで無念の池ポチャ「熊本県民として情けない」


18番、決めれば優勝となるパーパットを外し肩を落とす上田桃子(カメラ・石田 順平)

18番、決めれば優勝となるパーパットを外し肩を落とす上田桃子(カメラ・石田 順平)

 ◆女子プロゴルフツアー KKT杯バンテリンレディス最終日(16日、熊本・熊本空港CC、6452ヤード=パー72)

 首位と1打差の2位で出た西山ゆかり(34)=アマダホールディングス=が、通算4アンダーで並んだ上田桃子(30)=かんぽ生命=とのプレーオフ(PO)を1ホール目で制し、15年8月以来のツアー通算2勝目を挙げた。昨年は地震の影響で大会中止となり、2年ぶりの開催。地元ギャラリーが熊本出身の上田を応援する“アウェー”の環境で、勝負に徹した。

 被災地を勇気づける優勝が、目前で逃げて行った。「勝って、頑張っていきましょう!という思いを伝えたかったけど、熊本県民として情けない」。上田は試合直後は気丈に振る舞ったが、関係者に慰められると、涙を我慢できなかった。

 正規ラウンドの最終18番で1メートル弱のパーパットを外してPOへ。同じ18番の1ホール目第2打。2日目まで「気持ちに応えたいとなると、リスクを冒せなくなる」と語った地元の期待。重圧を勇気に変え「POは先手必勝」と2オン狙いで打った瞬間、観衆が「届け!」と叫んだ。しかし、グリーンまで1メートル弱届かず、手前の池に転がり落ちた。

 前半から「優勝するばい!」とファンに励まされた。「声援がないと、ここまで戦えなかった。申し訳ない」。一人で背負った熊本の思いは、次にぶつける。

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