優作、通算13アンダーで6人目の選手会長V!


18番で優勝を決めるバーディーパットを沈めガッツポーズする宮里優作(カメラ・谷口 健二)

18番で優勝を決めるバーディーパットを沈めガッツポーズする宮里優作(カメラ・谷口 健二)

 ◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ最終日(30日、愛知・名古屋GC和合C)

 首位で出た地元・名古屋市在住の宮里優作(36)=フリー=が5バーディー、3ボギーの68で回り、通算13アンダーで15年11月以来の通算4勝目を挙げた。家族の見守る最終18番で劇的なバーディーパットを沈め、3打差に5人がひしめく大混戦を制した。現職の選手会長としては6人目の優勝で、ツアー史上初の選手会長賞金王への期待も膨らむ。

 4年前の初優勝を思い出させる、劇的な幕切れだった。藤本と首位に並んで迎えた最終18番。優作の6メートルのバーディーパットは下りのスネークラインを転がり、カップを右から1周して入った。「(カップを)出ちゃったかなと思って」と突き上げかかった右拳を一度止めた。甲高いカップインの音を確認すると、背後のスタンドを振り向くように再度、力強く振り上げた。準地元の大喝采を浴び「いやぁ、ビックリ。我慢勝ちかな。本当にホッとしました。背中に責任感とか、いろんなものが乗っかっていた感じだったので」。5番で1メートルを沈めて首位に並ぶと、好調なパットを武器に難コースで耐えしのぎ、大混戦を抜け出した。

 人望が厚く、昨年1月に選手会長へ就任。スポンサーへのあいさつ回り、選手会の行事などで多忙を極め、自らの練習時間は減った。昨季は4年ぶりの未勝利に終わり、賞金ランクも前年の2位から20位へ後退。昨年までは海外ツアーに積極参戦して試合勘を保ってきたオフも、今年は選手会行事に奔走し「合宿の日程も立てられなくて、2週間クラブを握れない日もあった」。2年連続予選落ち中だった今大会は「予選通過が目標」で「春先に勝てるとは思っていなかった」というのが正直な胸の内だった。

 13年春から名古屋市内に自宅を構え、車で15分と近い今大会は自宅通勤。応援に駆けつけた妻・紗千恵さん(40)は「ストイックな人なので去年は苦しそうで。選手会長2年目の今年は落ち着いている。楽しそうです」と明かした。次戦は生まれ故郷・沖縄での日本プロ選手権日清カップヌードル杯(5月11~14日・かねひで喜瀬CC)。「沖縄で下手なゴルフは見せられない」。史上初の選手会長賞金王に挑戦し続け、男子ツアーを盛り上げていく。(榎本 友一)

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