エージシュートはついに200回に到達。エージシュートを目指す82歳田中さんの挑戦は新たな世界へ突入した。
驚異のエージシューター、82歳の田中菊雄さんは5月19日、千葉・成田ゴルフクラブで開催された「ANAケータリング・コンペ」で41,40の81、年齢を1打下回る1アンダーのエージシュートを達成した。
エージシュートを初めてやったのが06年8月、71歳の時。それから12年、年齢と同スコアか、それ以上のロースコアを目指すエージシュートにこだわり続けた田中さんだが、ついにゴルファーの夢を200回の大台に乗せた。今後、この記録がどこまで更新されるのか注目される。
大会は田中さんが会長を務める北山グループの関連会社が開催した恒例の会、当日は9組36人が出場。恒例によって白ティー、この日は6531ヤード、パー72で行われ、田中さんはベストグロスをマークして優勝、自らの快挙に花を添えた。
エージシュートは年齢と同じか、それ以下のロースコアを目指すものでメンバーシップコースでは、達成者はクラブチャンピオンやホールインワン達成者などと並んでクラブハウス内にその名前が刻まれ栄誉をたたえられる。昨今は年齢とスコアとの“競争”という観点から高齢化社会を元気で過ごすゴルファーたちの目標となり注目を集めている。
快挙を達成した田中さんは「何もしないで年を取るのは簡単だが、記録にこだわって年齢を受け止め前向きに生きた方がいいなら積極的にいこうとやっています。エージシュートはゴルファーだけのものだが、元気で長生きはいまの時代、人類のテーマです」とあくまで前向きだ。
そこで田中さんの足取りを記録面からに振り返ってみるとー。その奥の深さが見えてくる。
田中さんの200回の記録を年代別にみると初エージシュートは71歳。以来77歳までに10回。それが78歳では16回。79歳では28回、80歳で50回、81歳で81回、そして82歳で15回だ。加齢とともにエージシュートの成功率は高まっていることに注目だ。
中でも田中さんの80歳で50回、81歳の81回というのはおどろきに値する。80と81歳で計131回もある。
こう見てくると80歳代はエージシュートの世界では最盛期といっていいだろう。3ラウンドに一回くらいの高い確率なのだ。このことは何を示しているかというと体力の衰えはあるが、身についた技術は衰えない、ということだろう。ゴルファーにとってはうれしい発見がある。
“80歳からは急に体力の衰えを感じる”-そんな声をよく聴くことが、とんでもない、と田中さんはその生き方で示してくれている。次回もそんな観点からいろいろと探ってみる。
◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。82歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。