【日本代表コーチ・岩本砂織 誤解は上達の妨げ】<2>ラジオ体操の動きで正しい回転運動


 スライスに悩むプレーヤーは多い。原因はスイング軌道がアウトサイドインになっているからだ。「打とう!」という意識が先立つと、無意識に右肩が前に出て、その反動で左膝が伸びて体勢が斜めになり、クラブヘッドが外側から入ってしまう。そこを修正すればいいのだが、多くの人は正しい体の動きを体得できていないのがネック。そこで、正しい体の動きを実感できる方法を紹介したい。

両腕を左右に大きく振りながら上体を左右にひねると、正しい体重移動と回転運動を実感できる

両腕を左右に大きく振りながら上体を左右にひねると、正しい体重移動と回転運動を実感できる

 

 まず、日本国民なら誰でも知っている「ラジオ体操第一」にある、ひとつの動きをする。それは「両腕を左右に大きく振って、それに合わせて膝を軽く曲げ伸ばす」というもの。両足を肩幅ほど開いて立ち、正面を向いて「イチ、ニ」と2度運動を続け、「サン」でグイッと上半身だけを右にひねる。すると、体重の多くが右足にかかっているのを実感できるはずだ。次に上半身を右にひねった状態で両腕を左右に大きく振りながら、一気に左に向ける。ここでは左足に体重が乗っているのが分かるはずだ。これが正しい体の回転運動。つまり、右から左に「体重移動」しても、体の軸は正面を向いて運動していたところから動いていない。それが実感できるだろう。

 

 前傾姿勢になってこの動きをイメージしながらクラブを振れば、自然で正しい体の動きとなり、正しいスイング軌道となる。

 

岩本砂織(いわもと・さおり)1971年7月21日、山口・周南市生まれ。45歳。2007年、日本女子プロゴルフ協会入会。ティーチングプロA級。「プロを教えるプロ」として有名。ティーチングプロばかりでなく服部道子らも指導。現在、ナショナルチームのコーチも務める。