◆ゴルフ 日本女子アマチュア選手権 最終日(23日、奈良・奈良国際GC、6573ヤード、パー72)
4打差の3位から出た滝川二高2年の安田祐香(ゆうか、16)=洲本GC=が65をマーク。72ホールのストロークプレーに大会方式が変更された昨年以降、ベストスコアを1打更新する猛チャージを見せ、通算14アンダーの逆転で初優勝を果たした。2000年以降に生まれた選手の優勝は初めて。首位で出た新垣比菜(18)=カヌチャGC=は75と崩れ、8アンダーで3位に終わった。
初めてビッグタイトルをつかんで臨んだ表彰式。安田の目に涙がにじんだ。「全国優勝が目標だった。達成できてうれしい。うれしくて泣くのは初めて」と目頭を押さえた。全国どころか関西地区でも優勝経験がなく、日本代表経験もない16歳は、12番で残り100ヤードを1メートルに寄せバーディーを奪うなどショットが絶好調。最終18番は約10メートルをねじ込みイーグル締め。4打差をはね返し、3打差をつけて頂点に立った。
「本当に負けず嫌い」と母の美香さん(49)。原田中時代から連日3時間の練習を重ね、帰宅後もパット練習を続けた。中学2年時に腰を痛めたが「(米ツアー通算11勝の)ステーシー・ルイスも腰痛を克服して勝った」と奮い立った。昨年大会は最終日に重圧から76と崩れ、8位から12位に。だが、今年は父・光祐(みつひろ)さん(52)の「マイケル・ジョーダンの著書に『恐怖心は幻想』とあったので、思い切ってやってこい」という助言を生かし、一打に集中した。
日本代表入りを確実にし、9月の日本女子オープン(千葉・我孫子GC)の出場権も初めて獲得。「代表に同学年がたくさんいるので楽しみ。将来は長い間愛される選手になりたい」と目を輝かせた。(高橋 宏磁)
◆安田 祐香(やすだ・ゆうか)2000年12月24日、兵庫・神戸市生まれ。16歳。小3から有村智恵らを輩出した坂田塾に入り、本格的にゴルフを始める。一日の予定表を紙に書いて両親に渡すほど、きまじめな性格。趣味はカラオケ。得意クラブはショートアイアン。163センチ、54キロ。家族は両親と姉。