小田孔明、豪雨被害の故郷福岡のため「今日だけは頑張らな、いけん」


1番、ティーショットを放つ小田孔明

1番、ティーショットを放つ小田孔明

 ◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアー長嶋茂雄招待 セガサミーカップ第1日(6日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7178ヤード、パー72)

 14年の賞金王・小田孔明(39)=プレナス=が4バーディー、ボギーなしの4アンダー68をマーク。今季初日の自己最少スコアで首位と4打差の18位と好発進した。豪雨の被害を受けた故郷・福岡県を励ますためバーディーラッシュを演じ、3季ぶりの通算9勝目をつかむ。通算2勝の片岡大育(28)=Kochi黒潮CC=が8アンダーで単独首位。

 孔明が天災に苦しむ故郷への熱い思いを燃やし続けた。「今日だけは頑張らな、いけん」。得意のアイアンでピンを攻め続けた。11番からの3連続バーディーを含め4バーディーを奪取。今季初のボギーなしラウンドに、丸い顔をほころばせた。

 5日からの大雨で故郷の福岡県は甚大な被害を受けた。飯塚市の自宅は「高台にある」ため被害はなし。ただ実家のある田川郡添田町は大雨による河川氾濫警戒で避難指示が出た。「実家は田んぼに囲まれていて、流されたりしてないか心配で」と5日夜には家族や知人に連絡。「大丈夫」「心配しないで」という無事の知らせとともに「この雨を吹き飛ばすようなバーディーを取ってくれ」と頼まれた。「みんな大変だろう」と使命感に突き動かされた。

 今季は10試合で予選通過は2試合だけと苦戦。試合のなかった約1か月の間に契約する本間ゴルフの山形・酒田工場を訪れ、クラブセッティングを行った。今大会は4本のクラブを入れ替えて臨み、12番では新しい4アイアンで4メートルにつけて伸ばした。兵庫・一王山十善寺では座禅を組んだ。左下半身の筋力トレにも励み「もう絶不調ではない。スコアが伸びるか伸びないかはティーショット次第」。14年大会は石川遼とのプレーオフの末2位。好相性の北の大地から、3年ぶりの優勝で地元に明るいニュースを届ける。(榎本 友一)

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