池田勇太「人生初」クラブ本数超過の大失態も単独首位


15番、第2打を打つためバッグからアイアンを取り出す池田(カメラ・竜田 卓)

15番、第2打を打つためバッグからアイアンを取り出す池田(カメラ・竜田 卓)

 ◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待 セガサミーカップ第2日(7日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7178ヤード、パー72)

 4位スタートの昨季の賞金王・池田勇太(31)=フリー=が6バーディー、1ダブルボギーの68をマーク。通算10アンダーの単独首位へ浮上した。「ゴルフ人生で初めて」規定よりも1本多いクラブ超過の2罰打を受ける大失態も、意地を見せてバーディーを量産。安定感抜群のショットで昨年11月以来のツアー通算17勝目に挑む。

 小平智(27)=Admiral=、手嶋多一(48)=ミズノ=、黄重坤(25)=韓国=の3人が1打差の2位。

 灼熱(しゃくねつ)の北の大地の七夕を“あきれたバーディーラッシュ”で沸かせた。約2か月ぶりの日本ツアー出場の池田が、まさかの失態だ。クラブを15本入れたまま午前8時前にティーオフ。「1本抜き忘れた」ことに1番の第2打地点で気付いた。マーカーに報告し、2オン2パットのパーだった1番のスコアが2罰打が加えられ、ダボに修正された。

 超過したのは2週後のメジャー、全英オープン(ロイヤルバークデールGC)での投入を見据えた新3アイアンだった。「試合で入れるかどうか、ずっと悩んでいるもの」と練習場でテストしていた。今週は帯同キャディーではなく、グリーンの読みを重視してハウスキャディーを起用。それもツアーでは異例の珍事を招く一因となった。国内男子では1999年7月のアイフル・カップ第2日で桑原克典が最初の2ホールを15本のクラブを入れてプレーし、4罰打を受けた例がある。

 「もう怒る気力もない。自分にあきれていたので」。ゴルフ人生初の失態への怒りを発奮材料に変え、大逆襲を演じた。5番で、残り75ヤードからウェッジで50センチにつけてバーディー。ショットが好調で7番80センチ、8番1メートル、9番3メートル半につけて3連続バーディー。11番で3メートルを沈めて単独首位に浮上し、13番も第3打を80センチに寄せて伸ばした。

  ショット、パットともに安定感抜群だ。2罰打以外はボギーの危機もなし。「ピンチ? あったかな」と2度のバーディーパットが、1メートルほどオーバーしたくらい。それでも「あきれたバーディーですよ。もうずっとです…。今も自分にあきれています」と苦笑い。

 今大会8度目の出場で初の首位に浮上。「2日目にトップでも、最終日でなければ意味がないので」。今季米ツアーでの経験も積んだ昨季の賞金王が、昨年の14位が最高の苦手コースを制圧する。(榎本 友一)

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