有村「脱完璧」で67!5年ぶりV&シード奪回へ心機一転


9番、ティーショットを放つ有村智恵。首位と3打差の6位で初日を終えた(カメラ・今西 淳)

9番、ティーショットを放つ有村智恵。首位と3打差の6位で初日を終えた(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー 大東建託・いい部屋ネットレディス第1日(27日、山梨・鳴沢GC)

 通算13勝の有村智恵(29)=日本HP=が6バーディー、1ボギーの今季自己ベストタイ67で回り、首位と3打差の6位。3勝した12年以来、勝利から遠ざかるが「脱・完璧主義」をテーマに掲げて過去の自分と決別した。大会コースレコードタイの64をマークした韓国のキム・ハヌル(28)=HITE JINRO=が単独首位。

 超集中モードで目力の強さは健在。だが、内面はガラリと変わった有村がいた。前半の11、16、18番でいずれも2メートルを決めると、後半も2つ伸ばして67。「ショットも安定していてミスもなかった。こういうのを少しずつ積み重ねて大きな自信にしたい」と納得の表情を浮かべた。

 3勝して賞金ランク3位に入った12年当時は、誰よりも自分に厳しかった。「とにかくガツガツして完璧を求めていた」。13年から米ツアーに本格参戦し、米下部ツアーを戦っていた16年6月に日本復帰。経験を重ねるにつれ「前にはなかった怖さが出てきた。もうあの頃の勢いは戻らない」。昨季は賞金ランク80位でシード落ちの失意を味わった。

 今季はスイングとクラブを変え、心機一転。後半戦前、メンタルトレーナーから「達成度ではなく充実度を上げよう」と言われ奮起した。自分を責めず気持ちにゆとりができ、今月2度目の67を出した。「日曜日が近くなると、いろんな思いがこみ上げると思うけど、自分を受け入れて目の前の一打に集中できれば」。今大会は今年から4日間となり賞金も増額された。現在の賞金ランクは65位。同50位以内のシード獲得だけでなく、5年ぶりの頂点も見えてくる。(岩原 正幸)

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