我慢の藍、最後の挑戦イーブン発進!父倒れても「やることは一つ」


 ◆米女子プロゴルフツアーメジャー第4戦 全英リコー女子オープン第1日(3日・英キングスバーンズGL)

 今季限りでの引退を表明している宮里藍(32)=サントリー=は2バーディー、2ボギーの72でイーブンパー。絶好のコンディションの中で全体のスコアが伸び、ホールアウトした時点では8アンダーで首位のミシェル・ウィー(27)=米国=と8打差となった。西山ゆかり(35)=アマダホールディングス=と上原彩子(33)=モスバーガー=が2アンダー。

 警戒していた強風も雨もない穏やかな天候。澄み切った青空とは対照的に、藍の表情はさえなかった。イーブンパーにとどまり、ホールアウトした時点では首位と8打の大差がついた。「絶好のコンディションだったので、内容は悪くないけど結果は今ひとつ」と無念さをにじませた。

 ショットは安定し、フェアウェーを外したのは1ホールだけ。8、13番はいずれもアイアンショットをピンに絡めて楽々とバーディーを奪った。しかしグリーンで苦しみ、スコアを伸ばしきれない。「序盤は(グリーン上で)見た目と重さのギャップがあった」と34パットを喫した。

 集中力を保てる状況ではなかったのかもしれない。1日のプロアマ戦中にコーチで父の優さん(71)がコース内で倒れて救急車で運ばれ、現地の病院へ入院した。病状は明かしていないが、開幕前日の2日も病院を訪問した。ただ藍は「やることは一つだし、精神面は大丈夫」とプレーへの影響は否定した。

 初めて海外メジャーに出場したのが2004年の全英女子オープン(サニングデールGC)。通算4オーバーで予選落ちし、ホールアウト後は泣き腫らした顔で約1時間、パット練習を繰り返した。初めて世界のレベルの高さを肌で感じた試合だった。

 14年連続14回目の出場。昨年までは2年連続で予選落ちも「天候次第で変わるのがリンクスだけど、チャンスはある。我慢強くやりたい」と上位浮上を誓った。泣いても笑っても最後の全英。13年前の屈辱を、再び味わうわけにはいかない。

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