大山志保、11年前の悪夢払拭へ1打差3位キープ


9番でバーディーを決めガッツポーズする大山

9番でバーディーを決めガッツポーズする大山

 ◆女子プロゴルフツアー CATレディース第2日(19日、神奈川・大箱根CC)

 1打差3位から出た大山志保(40)=大和ハウス工業=が6バーディー、3ボギーの70で回り、通算7アンダーで1打差3位をキープ。2006年にはクラブ超過で4打罰を科せられて優勝を逃した因縁の大会で、今季初勝利へ望みをつないだ。ともに韓国のイ・ボミ(28)=延田グループ=、ぺ・ヒギョン(24)=フリー=が8アンダーで首位。

 最終18番。大山は約3メートルのバーディーパットを沈めると、何度も右手を握りしめた。3番では約8メートルを沈めるなど好調なパットを生かして1打差3位と優勝圏内をキープ。「何が何でも最終日は最終組で回りたかったので良かった」とニッコリ笑った。

 因縁浅からぬ大会だ。06年大会では、1988年のツアー制度施行後、史上初(当時)となる3週連続優勝に挑んだ。だが初日にうっかりミスで規定(14本)より1本多い15本のクラブを持ってラウンドしたため4打罰を科せられ3オーバー76で、70位と出遅れた。2日目以降は巻き返したが、4打差9位に終わった。クラブ超過のミスがなければ、3週連続Vを達成していた可能性もあった。「思い出の大会。この大会で勝ちたい思いが強い」と闘志を燃やす。

 雪辱と同時に、親孝行も狙う。優勝副賞はキャタピラー社の「ミニ油圧ショベル」。「父に、初出場した時からずっと『ショベルカーが欲しい』とお願いされているんです。(自宅の)庭を整備するのに使いたいみたい。今年も言われました」と大山。2日目も炎天下の中で18ホール付きっきりで応援した父・晃さん(77)の要望に応える。

 昨夏はリオ五輪に出場。日の丸を背負って臨んだ初の大舞台で42位に終わった。首痛など体調不良も原因だったが、惨敗した悔しさは忘れていない。「リオは今でも悔しい思いが強い。あれから1年、どれだけ成長したのか、自分でも楽しみにしている」と力を込めた。因縁の地で今季初勝利をつかみ取り、完全復活をアピールする。(高橋 宏磁)

最新のカテゴリー記事