永井花奈、最終日中止ピンチで「伸ばせるだけ伸ばそうと」初Vへ首位浮上


スタート前に(右から)穴井、畑岡と談笑する永井。通算7アンダーで単独首位に立った(カメラ・頓所 美代子)

 ◆女子プロゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディス第2日(28日、埼玉・武蔵丘GC=6580ヤード、パー72)

 女子ツアーで、昨年プロテストにトップ合格した永井花奈(20)=デンソー=が68。通算7アンダーとし、初めて首位に立った。男子ツアーでは、2位で出た小鯛竜也(27)=フリー=が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算13アンダーで単独首位に浮上。ともにツアー初優勝に王手をかけた。最終日は台風の影響で悪天候が予想され、2週連続で男女とも最終日の競技が中止なら、ツアー史上初の珍事となる。

 最終18番。永井は1メートルを決めてバーディーを奪った。「先週のこと(最終日が雨で競技中止)が頭にあって、伸ばせるだけ伸ばそうと思っていた。最後のパットも入る感じがしました」。初めてトップに立ち、笑顔で締めくくった。

 雨が降ったりやんだり。悪条件も苦にせず、正確なショットを重ねた。1番で左ラフからの3打目を約1メートルに寄せバーディー発進。3番パー4では、残り134ヤードの2打目を8アイアンで20センチに寄せた。「集中していた。距離感が自然と合った」

 年下の“ライバル”に追いつきたい。日出高2年だった14年の日本女子オープンは3位と活躍。当時、日本人アマとして最高順位となった。ところが、昨年に記録が大幅に塗り替えられた。1学年下の畑岡がアマ史上初の日本女子オープン優勝。プロ2年目で未勝利の永井に対し、畑岡はツアー3勝。「今は確実に彼女の方が成績を残している」。年下ながら、実力を素直に認めている。

 この日は、畑岡と14年の世界ジュニア選手権以来、約3年ぶりに同組でプレー。最終日は自身初となる最終組で再び対決する。「すごいなーと思うだけじゃなく、負けていられない。正直、ファンの皆さんも(畑岡の優勝を)期待していると思うので、その陰でぴょこっと勝てたら」。最終日は大雨の予報だが、関係者によると、28日の時点では開催の可能性が高い。プライドを懸け、実力で初優勝をつかみ取る。(高橋 宏磁)

 ◆日本の男女ツアーで最終日がともに中止 1988年の女子ツアー施行後では、前週の10月22日を除くと1度。90年9月30日、男子の東海クラシック(三好CC西C)と、隣接する同CC東Cで行われた女子の東海クラシック雪印レディースの最終日が大雨で中止。2週連続で男女とも最終日の競技が中止になればツアー史上初。

 ◆最終日の天気予報 男子のABCGCがある兵庫・加東市は降水確率80%。優勝争いが佳境に入る午後2時前後は降水量10ミリ、風速3メートルの予報。女子の武蔵丘GCのある埼玉・飯能市は降水確率80%。午前中の降水量4ミリ、風速2メートルの予報。

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