◆女子プロゴルフツアー メジャー第1戦 ワールドレディスサロンパスカップ最終日(6日、茨城・茨城GC西C)
4打差2位から出た昨季日本ツアー賞金女王の鈴木愛(23)=セールスフォース=は4バーディー、3ボギーの71で通算2アンダーの1打差2位に終わった。ロングパットで3連続バーディーを決めるなど7打差を追いつき一時は単独首位に。だが会心のイーグルを決めた2009年米ツアー賞金女王の韓国・申ジエ(30)=スリーボンド=に優勝をさらわれた。申は70の3アンダーで今季初V。昨季韓国賞金女王、イ・ジョンウン(21)は76と崩れて1アンダー3位だった。
西日に照らされたグリーン上で、鈴木は申のウィニングパットを悔しそうに見つめた。「まさか(17番で)イーグルを取られるとは…。勝てる試合だったので残念」。2週連続で終盤2ホールで競り負けた。だが、“自滅”した前週(3位)とは違う。最後まで日本の賞金女王として優勝に値するプレーを見せただけに、悔しさが募った。
イに4打差で出たが、5番までに落とし、7打差に。フェアウェーキープ率42・86%とショットが不調で「私のチャンスは少ないのかな」と気持ちが折れかけた。だが、6番から3連続で約10メートルのバーディーパットを沈めた。「焦らずやってみよう。私らしいパッティングができて、最後まで諦めずにやれた」
日米韓3ツアー女王経験者による最終組の“三つどもえ”決戦となった最終日。4日間通算で大会史上2番目の3万4104人が詰めかけた熱戦は、ラウンド前の練習グリーンからピリピリとした緊張感が漂った。姿を見せた鈴木、イは約20分間、互いに一度も目を合わせないまま。鈴木は両脇に棒を挟む練習法でロングパットを約10球転がし「ピンと来た」。手応えは確かだった。
6番以降、ボギーを重ねたイが失速。12番のバーディーで首位に並んだが、ここから14番までに申、鈴木、イの順番でスロープレーによる警告が出た。一つ前の組との間隔が2ホール分も空き、全員がショットの所要時間を計られ、間を走るという異様な雰囲気に。鈴木は16番で今大会で初めて単独首位に立ったが、13番で警告を受けた後はバーディーなしの2ボギーと伸ばせなかった。
難コースを攻略「今後の自信に」 それでも終わってみれば、上位3人だけが、通算アンダーパーでメジャーの難コースを攻略した。メジャー3勝目を逃したが「今までここで上に来たことがなかったので、ここ数年で成長した。今後に自信になる」と鈴木。次週、ほけんの窓口レディース(11日開幕)で自身初の大会連覇を目指す。(岩原 正幸)