鈴木愛VSシックス…日韓の女王が5日最終組で火花「1回来ただけで勝たせるようではダメ」


15番、多くのギャラリーを引き連れてラウンドする鈴木愛(中)と畑岡奈紗(右)(カメラ・相川 和寛)

 ◆女子プロゴルフツアー 報知新聞社後援ワールドレディスサロンパスカップ 第2日(4日、茨城GC西C=6715ヤード、パー72)

 昨季日本ツアー賞金女王の鈴木愛(23)=セールスフォース=が6バーディー、3ボギーの69で回り、通算3アンダーで第1ラウンド(R)の13位から首位に2打差の2位に浮上した。昨季韓国ツアー賞金女王で日本ツアー初出場のイ・ジョンウン(21)=韓国=がベストスコア68をマークし、5アンダーで首位に立った。新人の小祝さくら(20)=ニトリ=は71と伸ばし、2アンダーで3打差3位。

 海外のトップ選手が集うゴールデンウィークの祭典で、簡単に外国勢にメジャータイトルを渡すわけにはいかない。今季も賞金ランク首位を走る鈴木は、首位のイと2打差2位につけたホールアウト後、公式会見で日本ツアーをけん引する責任感を口にした。

 「日本のツアーなので、1回来ただけで勝たせるようではダメ。これだけ人数も出ている。もっとみんなが実力以上を発揮しないと。韓国の選手はもちろん強いけど、対抗する(日本の)選手が出てきてほしい」。イとは昨年12月の4ツアー対抗戦ザ・クイーンズ(愛知・三好CC)で回り「しっかり飛ぶし、小技も上手」と実力を認めている。だが、今回だけは譲れない。

 この日は初日に未消化だった第1Rの残り1ホールを午前6時30分に開始したため、起床は3時40分。前日は午後7時近くまで真っ暗な中でパット練習に励み「疲れはある」が、気力を振り絞った。第2Rは前半だけで3つ伸ばした。15、16番はともに1メートルにつけ、一時は首位に並んだ。

 その後は午後スタートの選手がスコアを落とし「まさか当たるとは思わなかった」という日韓賞金女王の最終組対決が実現した。誰よりも多い練習量を誇る23歳は「日本ツアーは今、シードに韓国の選手が多い。急に来てシードを取れるようなツアーではダメ。やはり練習量が少ないのでは」と、韓国勢に押される現状にも苦言を呈した。

 今大会は14年に成田美寿々が制して以降、3年連続で外国勢が制している。自身も今回と同じ西コースでは予選落ち(14年)、52位(17年)と低迷していたが「苦手意識? ちょっとだけなくなった」と自信をつかんだ。優勝なら16年日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯以来のメジャー3勝目。「チャンスをモノにしたい」と、いつものようにボールを転がし続けた。(岩原 正幸)

 ◆女子ツアーの初参戦V 日本女子プロゴルフ協会の参考記録によると、メジャーでは15年ワールドレディスサロンパスカップの田仁智(韓国)だけ。メジャー昇格前では前身の79年ワールドレディスでベス・ダニエル(米国)が達成した。近年のツアーでは、10年ダイキンオーキッドレディスのアン・ソンジュ(韓国)、11年中京テレビ・ブリヂストンレディスの野村敏京ら。

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