成田美寿々、心酔する宮里藍さん初の冠大会でV プレミアムモルツで乾杯!


プレーオフの末、優勝を決めた成田(右)は、大会アンバサダーの宮里藍さんとトロフィーを手に笑顔を見せる(カメラ・石田 順平)

プレーオフの末、優勝を決めた成田(右)は、大会アンバサダーの宮里藍さんとトロフィーを手に笑顔を見せる(カメラ・石田 順平)

 ◆女子プロゴルフツアー宮里藍サントリーレディス 最終日(10日、兵庫・六甲国際CC=6525ヤード、パー72)

 4打差10位で出た成田美寿々(25)=オンワードHD=が6バーディー、ボギーなしの66をマーク。通算16アンダーで並んだ有村智恵(30)=日本HP=とのプレーオフ(PO)を4ホール目で制し、ツアー通算9勝目を挙げた。力強さを増した世界基準のショットを武器に、「神様」と心酔する日米ツアー通算24勝の宮里藍さん(32)の名前が今年から冠についた大会で、初代女王となった。

 憧れの人の名前が入った優勝ジャケットに、成田が最初に袖を通した。18番で繰り返されたPO4ホール目。2メートルのバーディーパットを沈めると、藍さんが見守る前で大歓声を浴びながら右拳を揺らした。「大好きな人が(大会の)冠についたから、優勝争いして盛り上げなきゃと思っていた」。後半4バーディーを量産し、大混戦を抜け出しての逆転V。藍さんと笑顔でハグを交わし、パーティーではビールのプレミアムモルツで乾杯した。

 昨年大会最終日。国内最後のラウンドとなった藍さんと一緒にプレーした。サインをもらった使用球を、「家宝」として自宅のリビングに保管。時折、手にして後継者への思いを強く抱く。先月31日には都内で藍さん、有村ら4人で夕食をともにした。その有村とのPOとなり、「縁があるというか、怖いですね」と苦笑いした。

 世界基準の体で手にした1勝だ。2月に米ツアーに出場し、力の差にがく然とした。「ほとんどの選手が大会中もトレーニングをしていた。飛距離や球の高さが違う」。今季からシーズン中も都内で週1度、約1時間のトレーニングを続け、アイアンの飛距離は5ヤード伸びた。それがこの日の勝負どころで生きた。1打差を追う16番。7アイアンで高い放物線を描き、ピン手前20センチで止めてのバーディー。「去年なら6アイアンで、あの高さは出せていない」と振り返った。元世界ランク1位のアンバサダー・藍さんの前で見せた確かな進化。後継者となるべく、「年間5勝とバーディー奪取率ナンバー1」を目指す。(榎本 友一)

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