◆女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ最終日(24日、千葉・カメリアヒルズCC)
首位スタートの成田美寿々(25)=オンワードホールディングス=が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算17アンダーとして2位以下に3打差をつけて完勝した。
地元の千葉と尊敬する宮里藍さん(33)への強い思いを力に変えて今季2勝目&節目の通算10勝目を飾った。
千葉・拓大紅陵高時代、今大会コースから約1キロしかない練習場「アタックゴルフ木更津」で腕を磨いた成田は、まさに“アタックゴルフ”を貫いた。3打リードして迎えた18番パー5。残り244ヤードから果敢に2オンを狙った。手前バンカーにつかまり、パーだったが、通算17アンダーのビッグスコアで勝ち切った。
「守るのではなく、20アンダーの仮想トーナメントリーダーを追いかけて最後まで攻めました」と胸を張った。今週は県内の自宅から通勤。コース手前の交差点で「高校時代、学校から走って、ここで打って、また、走って帰ったなあ」。往復約10キロ走った上でボールを打ち込んだ青春の日々を思い出すと力が湧き出た。
家族のサポートも大きかった。前夜の夕食は船乗りの兄・彰弘さん(31)が高知から持ち帰ったカツオだった。「カツオ食べて勝つおー」。父・俊弘さん(63)の文字通り“オヤジギャグ”で、リラックスした時間を過ごした。
もうひとつ勝因がある。日米24勝の藍さんを尊敬する成田は今年からレジェンドの名が冠となった「宮里藍サントリーレディス」(7~10日)で今季初優勝。藍さんが誕生日の19日に結婚した“メモリアルウィーク”で今季2勝目&通算10勝目。「昨日の夜(SNSの)コメントに藍さんから『頑張ってね』といただき、テンション上がりました」と笑顔で話した。
賞金ランクは2位に浮上。「あと3勝したい」。初の賞金女王に向けてアタックを続ける。(竹内 達朗)