畑岡奈紗、最終日最小64で9打差追いつくも2位 プレーオフで力尽く


 ◆米女子プロゴルフツアー メジャー第3戦 全米女子プロ選手権最終日(1日、米イリノイ州ケンパーレークスGC)

 首位と9打差の23位から出た畑岡奈紗(19)=森ビル=が2イーグル、5バーディー、1ボギーの64のビッグスコアをたたき出し、通算10アンダーとして朴城ヒョン(24)、柳簫然(28)=ともに韓国=とのプレーオフに進出した。1ホール目でバーディーを奪えず脱落。惜しくも77年同大会の樋口久子以来、日本女子41年ぶりのメジャー制覇を逃した。2ホール目で制した朴城ヒョンが昨年の全米女子オープンに続くメジャー2勝目。上原彩子(34)=モスバーガー=は60位。横峯さくら(32)=エプソン=は66位だった。

 最終組の約1時間半前、23位からスタートし“NASAチャージ”を見せた。強風で伸び悩んだ上位を尻目に畑岡はショットもパットも絶好調。圧巻はパー5で奪った2つのイーグル。7番はグリーン右のバンカーから放り込み、11番は残り223ヤードから2オン成功、4・5メートルのイーグルパットをねじ込んだ。首位の背中が見えた終盤は「ドキドキした」。重圧を感じながらも15、16番でバーディーパットを決めてガッツポーズ。大会最終日最少タイの64をたたき出し、トップをとらえた。

 ともにメジャー優勝経験のある柳簫然と朴城ヒョンの韓国勢に挑んだプレーオフ。18番パー4で行われた1ホール目、深呼吸してカラーから狙ったバーディートライがカップ右を通り抜け、樋口久子以来の日本勢メジャー制覇の夢はついえた。「本当に最後まで集中していいプレーができないと(勝てない)。この試合ではできなかった」。プレーオフであと一歩、及ばなかった事実を真正面から受け止めると同時に最終ラウンドの猛チャージには確かな手応えも感じている。「1日2イーグルは初めて。攻めるゴルフができた。メジャーでプレーオフまでいった」と胸を張った。海外メジャー2位の日本勢は6人目で19歳の畑岡は最年少。プレーオフによる惜敗は87年全米女子オープンの岡本綾子に次ぐ2人目だった。

 先週のウォルマートNWアーカンソー選手権で米女子ツアー初優勝。昨季140位だった賞金ランクは今季ここまで2位に躍進した。獲得額は約93万3000ドル(約1億360万円)で早くも1億円の大台を突破。19歳での年間獲得賞金1億円突破は、04年宮里藍(日本ツアー)と並ぶ日本人最年少記録。まさにロケットのような勢いで成長する奈紗は「本当にあとは勝つだけ」ときっぱり話す。今季のメジャーは全英リコー女子オープン(8月2~5日)、エビアン選手権(9月13~16日)と2戦ある。自信を深め、次の戦いへ向かう。

 ◆海外メジャー(レギュラー)の日本勢2位以内

 【優勝】

 ▽樋口久子(77年全米女子プロ)

 【2位】

 ▽青木功(80年全米オープン)

 ▽岡本綾子(84、86、87年デュモーリエ、87年全米女子オープン=3人PO負け、89、91年全米女子プロ計6回)

 ▽福嶋晃子(01年クラフト・ナビスコ選手権=現ANAインスピレーション)

 ▽宮里美香(12年全米女子プロ)

 ▽松山英樹(17年全米オープン)

 ▽畑岡奈紗(18年全米女子プロ)

 ※井戸木鴻輝がシニア海外メジャーの13年全米プロシニア優勝。

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