存在感をみせるイ・ボミ、楽しませてほしい“ボミらしさ”


26日、第1ラウンドをプレーするイ・ボミ。6試合ぶりにツアーに復帰し、元気な姿でギャラリーを喜ばせた(カメラ・今西 淳)

26日、第1ラウンドをプレーするイ・ボミ。6試合ぶりにツアーに復帰し、元気な姿でギャラリーを喜ばせた(カメラ・今西 淳)

 ”スマイルキャンディ”がトーナメントに戻ってきた。6試合ぶりに女子プロゴルフツアーに復帰したイ・ボミ(29)=延田グループ=の存在感は、やはり別格だった。

 26日から4日間で行われた大東建託・いい部屋ネットレディス(山梨・鳴沢GC)を写真取材した。火曜日、ペアリングにイ・ボミの名前を確認。水曜日のプロアマ戦後欠場の理由として、腸の炎症で4日間入院していたと衝撃の告白。期待と心配でコースへ向かった。

 大会初日、他の有力選手の撮影を終え、いざボミの組へ。とにかくギャラリーが多いので、どこでプレーしているかすぐに分かる。少し痩せた印象だが、元気そう。ウエアはいつものピッタリしたトップスとミニスカートを上品に着こなす。セクシーさと可愛らしさが同居するたたずまい。ナイスプレーでは弾ける笑顔、ミスした時の不安そうで切なげな表情は、カメラマンの“写欲”をとらえて離さない。どこまでも追いかけたくなるプレーヤーだ。

 予選2日目、最終9番ホール。ボミは予選カットラインに1打及ばず通算4オーバーの63位タイで予選落ちした。奇しくもほぼ同時刻に、隣の18番では今大会アマチュア旋風を巻き起こした安田祐香(滝川第二高3年)が通算10アンダーの好スコアで予選突破を決め、喝采を浴びていた。だが、ボミに向けられたギャラリーの声援は、それを上回るひと際大きいものだった。

 失意の結果にもホールアウト後はジュニアゴルフスクールの小学生と笑顔でハイタッチし、サインのプレゼント。小学生は「今日は最高の一日だ」などと大感激。西日本豪雨災害の募金活動にも参加し、ギャラリーが大行列を作った。ここでも圧倒的な人気を見せた。やはりツアーを盛り上げる欠かせないスーパースターだ。

 初日は「内容は良かった。上位の選手と今の自分は比べずに頑張る」、2日目を終えて「久々で緊張したけど、とても楽しかった」とコメントし前を向いていた。周囲も“復活”を期待するが、15、16年の2年連続賞金女王の重すぎる看板を降ろして、マイペースでボミらしいプレーを、待っているファンに見せて欲しい。

 大会の優勝者は一人しかいない。だが、試合に負けてもここまでギャラリーを楽しませてくれるボミも、また勝者だろう。

 次の取材機会には、またカメラを担いで追いかけ、ボミのとびきり素敵な笑顔を撮影したい。それが上位争いだったら、なおのことよし、だ。(記者コラム・今西 淳)

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