片山晋呉、プロアマ戦「改心V」招待客にレッスン終始談笑「帰ってこられて良かった」


同組選手のナイスショットに手をたたいて喜ぶ片山

同組選手のナイスショットに手をたたいて喜ぶ片山

 男子プロゴルフツアーのRIZAP・KBCオーガスタは23日から4日間、福岡・芥屋GC(7151ヤード、パー72)で行われる。5月のプロアマ戦で招待客に不適切な対応をしたとして、ツアー出場を自粛していた通算31勝の片山晋呉(45)=イーグルポイントGC=が約3か月ぶりに復帰する。22日にはスクランブル方式による団体戦のプロアマ戦で最終調整し、3人のアマチュアの招待客とともに、出場25チーム中トップの通算15アンダーで優勝。因縁のプロアマ戦で復帰戦への弾みをつけた。

 約3か月ぶりの復帰戦で自らにサプライズの“前祝い”だ。メンバー中最もいい球を選んで打つ、スクランブル方式による団体戦のプロアマ戦。片山は同組で回ったことのある、なじみの男性招待客3人と回り、2位の稲森佑貴(23)組に2打差をつけて優勝。「(同組3人が)朝から優勝したい、と言っていたのでよかったです。久々に出てきて、プロアマ戦で優勝っていうのもね」と予想外の展開に報道陣に囲まれながら苦笑いを浮かべた。

 表彰式で最後に片山チームの優勝が発表されると、大歓声が起こった。「そこで優勝しちゃうんだ」などと他のプロたちからヤジも飛んだ。石川遼選手会長(26)=カシオ=は「プロアマの目的、本質に目を向けるきっかけになればいい。片山さんにもいろんな思いがあると思いますが、プロアマを何のためにやっているのかを考えないといけない」と今後に期待を込めた。

 成績だけでなく、内容も濃いプロアマ戦だった。気温30度を超す猛暑の中、片山は3人の招待客と終始和やかに談笑。グリーン周りでも、しっかり会話しながらプレーのペースも合わせた。時折、招待客の要望に応える形でアプローチなどのレッスンも施した。招待客のいいショットに対しては「ナイスショット!」などと、大きな声で拍手を送る場面も見られた。

 5月の騒動後、バッシングを浴びた。45歳のもみあげには白髪が交じり「心労です」。スポンサーへのあいさつ回りなどもあり「練習は例年の3分の1くらい。でも、不安よりも楽しみの方が大きい。帰ってこられて良かった」。どん底を味わった百戦錬磨の永久シード選手が、襟を正して再出発する。(榎本 友一)

 ◆片山のプロアマ戦問題

 5月のメジャー、日本ツアー選手権森ビル杯のプロアマ戦で同組だったアマチュアの招待客と積極的に会話をせず、承諾を求めずにグリーン周りで練習。不愉快に思った一人が途中でプレーをやめて帰った。日本ゴルフツアー機構(JGTO)が6月7日に公表。片山は同15日にツアー出場の自粛を表明し、同27日にJGTOが制裁金30万円と厳重注意の処分を下した。片山は7月16日、ツアー外競技の「杜の都チャリティープロアマトーナメント」出場とRIZAP・KBCオーガスタでのツアー復帰を明かしていた。

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