【日本S主役は初V男】〈8〉市原弘大、周囲への感謝忘れない“いい人”


ダンロップフェニックスで今季2勝目を挙げた市原は「二発屋」と書かれた大福を手に笑顔

ダンロップフェニックスで今季2勝目を挙げた市原は「二発屋」と書かれた大福を手に笑顔

 ◆市原弘大(初出場)36歳=フリー=日本ツアー選手権森ビル杯、ダンロップフェニックス優勝

 ゴルフ界きってのいい人だ。「シードもない僕に声をかけてくださって」―。プロ18年目。6月の日本ツアー選手権森ビル杯で初優勝した会見の席で、報道陣を前に今年からボール契約したブリヂストンゴルフと、ウェア契約を結んだP’MASへの感謝の言葉を口にした。11月にはダンロップフェニックスで2勝目。ともに最終日5打差逆転の離れ業を演じた。

 雑草魂の男でもある。01年にアジアンツアーでプロ転向。笑顔がトレードマークで、海外では「スマイリー」と親しまれる。05年から腰のヘルニアに苦しみ、5年間は日本ツアーでの賞金はゼロ。昨年は賞金ランク88位で4年ぶりの賞金シード落ち。「納得するものを選んで今季を迎えたい」とゴルフ店などで各メーカーのクラブを試打。気に入ったものを購入して試し、はい上がってきた。

 ダンロップフェニックスでは連日、宮崎の畜産柄の入った蛍光色のウェアに身を包んだ。宮崎市内に本社を構えるP’MASの赤平聖茂氏(44)は「ウチの派手なウェアで、目立つのに慣れてきた感じですね」と笑う。日本シリーズは初出場。「華やかな舞台。出られることに感謝して、楽しみたいです」。ウェアとプレーで、観客の目をくぎ付けにする。(榎本 友一)=おわり=

 ◆市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年5月29日、東京都生まれ。36歳。3歳でゴルフを始め、向原中~埼玉平成高時代の97、2000年に日本ジュニアで優勝。01年にプロ転向。10年に賞金ランク58位で初シード獲得。昨季シードを逃し、今季は最終予選会10位の資格で出場。自己最高8110万円を稼ぎ、賞金ランク4位。171センチ、78キロ。

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