【日本S】今平周吾、身長165センチ歴代最小賞金王へ「取りたいタイトル」


JTカップを挟んで165センチの今平周吾(右)は、同組で賞金王を争う188センチのS・ノリスから身長差を比べられ苦笑い(カメラ・渡辺 了文)

JTカップを挟んで165センチの今平周吾(右)は、同組で賞金王を争う188センチのS・ノリスから身長差を比べられ苦笑い(カメラ・渡辺 了文)

 ◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー今季最終戦 日本シリーズJTカップ(29~12月2日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 男子プロゴルフツアーの今季最終戦、日本シリーズJTカップは29日から4日間、東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で行われる。賞金王争いは2人に絞られ、ランク1位の今平周吾(26)=フリー=はプロアマ戦で好調ぶりをアピールし、同2位で南アフリカのショーン・ノリス(36)=JOYX=と初日から直接対決する。身長165センチの今平、188センチのノリス―。どちらが賞金王になっても、歴代最小と最長身となる。

 初の賞金王戴冠へ、詰めの段階に入った今平は得意のアイアンショットをピンに絡めた。1番で2メートルを決めてバーディー発進すると、5番も9アイアンの第2打を1メートルにつけるバーディーで、同組アマと笑顔でハイタッチを交わした。「今日回った感じは、(13位の前週に比べ)距離感をだいぶ修正できている」と納得の表情を見せた。

 9月に賞金ランク1位に立つと、2位のノリスに約3340万円差をつけて最終戦を迎える。優勝賞金は4000万円。ノリスが優勝しなければ賞金王、優勝した場合でも3人の3位タイ以上なら決まるという有利な状況だ。これまであまり関心を示さなかったが、「歴代賞金王の名前を見ると、すごい選手ばかり。僕がなってもいいのかな」とおどけつつも「取りたいタイトル。最後、優勝するのが一番気持ちのいい終わり方」と、思いを口にした。

 165センチの小兵がその座につけば、12年大会を制した168センチの藤田寛之を抜いて歴代最小身長となる。初日は23センチ差で体重100キロの巨漢・ノリスを最終組で迎え撃つが、「飛距離では勝てないので、アイアンショットの正確性とショートゲームで戦いたい」と戦略をイメージ。体格差に関しても「海外に行くとハンデは感じるけど、ゴルフは少ない打数で上がるスポーツ。飛距離ではないものもある」と強調した。

 シーズン前に掲げた目標は年間2勝。現状はトップ10が13度と安定感を誇る一方、1勝にとどまる。1勝で賞金王になったのは1973年のツアー制施行後では、76年青木功の1例だけ。「最後1勝できたらいい」

 57位の世界ランクを年末までに50位以内に上げ、来年4月の海外メジャー・マスターズ(米ジョージア州、オーガスタナショナルGC)初出場を目指している。「優勝しないと(50位以内は)厳しいので、意識してやりたい」と、世界への道を見据えた。(岩原 正幸)

 ◆世界の主な低身長ゴルファー

 ▽イアン・ウーズナム(60)=英国= 165センチ。1991年のマスターズで優勝した元世界ランク1位。全盛期は飛ばし屋と言われた。

 ▽クレイグ・パリー(52)=オーストラリア= 168センチ。米ツアー2勝。87年から11年間、日本ツアーで戦い、97年日本オープンなど2勝を挙げる。

 ▽リー・トレビノ(78)=米国= 170センチ。メキシコ系の選手で、1968年全米オープンなどメジャーで6勝。

 ◆今平 周吾(いまひら・しゅうご)1992年10月2日、埼玉・入間市生まれ。26歳。8歳で競技を始め、08年日本ジュニアで松山英樹との最終組対決を制して優勝。高校を中退し、米国IMGアカデミーへ留学。09年全米ジュニア8強。11年にプロ転向し、14年に下部ツアー賞金王。通算2勝。家族は両親と姉。17年5月の関西オープン初優勝時にキャディーを務めた若松菜々恵さん(22)と今年5月に婚約。

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