◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー今季最終戦 日本シリーズJTカップ第1日(29日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)
石川遼(27)=カシオ=が4バーディー、2ボギーの68で回り、65で首位に立った韓国のY・E・ヤン(46)=NOW ON=と3打差の7位。優勝した15年大会と同スコアで好発進した。石川と同組の小平智(29)=Admiral=は大会自己ベストタイの66で1打差2位。家族の応援を受け尾崎将司、丸山茂樹、中嶋常幸に次ぐ年少4番目のメジャー3冠を目指す。
昨年まで5年間米ツアーで磨きをかけてきた小技が光った。石川は9、10、12、13番でグリーンを外し、2メートル前後のパーパットを残した。「それを全部パーセーブできた。ピンチをしのげたのが自分にとって大きい」。メジャー初制覇となった15年大会初日と同じ68で滑り出した。
4月に日本男子5人目の米ツアー優勝を果たした同組の小平に刺激を受けた。ツアー屈指の難度を誇る18番パー3。先に第1打を放つと「GO! GO!」と叫び、ピン右手前5メートルに寄せて笑顔を見せた。だが、続く小平はピン左奥1・5メートルにつける圧巻のショットでバーディー締め。「僕のがかすんでしまうくらい、すごいショットでした」と脱帽した。
昨季まで米ツアーを主戦場とした石川。挑戦1年目の小平とはラウンド中、米の選手や印象に残るコースの話で持ちきりだった。「本当に楽しかったです。やるべきことはたくさんあるけど、将来的には(米ツアーに)戻って、行ったことのない領域まで行きたい」と決意を新たにした。
1月、史上最年少で選手会長に就任。年間未勝利での今大会出場は11年に続く2度目だ。「ここに出ることがこれだけきついハードルとは知らなかった。それだけ競争とか、変わってきていると思う。ベストを尽くせればと思ってやってきましたけど、ここまで勝てていないのは甘かった」と苦難の一年を振り返る。好発進にも「内容的にももっと良くできる」と気を引き締めた石川。最終戦で今季初勝利をつかみ、再び夢の舞台へ向けて羽ばたいてみせる。(宮下 京香)
◆石川の15年大会優勝
2年連続8度目の出場で、68の4差9位で発進。2日目も68で回り、通算4アンダーで3人が並ぶ首位に浮上した。3日目に大爆発し、10バーディー、3ボギーの63で通算11アンダーの単独首位に。最終日は67で回り、2位に5打差をつける通算14アンダーの圧勝劇で初のメジャータイトルを獲得した。