2015年 日本男子プロゴルフツアーの展望 榎本友一


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小田 孔明

 2014年の男子プロゴルフの日本ツアーは、最終戦日本シリーズJTカップまでもつれた激闘の末、2勝を挙げたプロ15年目の小田孔明(36)=フリー=が、1億3731万8693円を稼いで悲願の賞金王となった。5年ぶりに試合数が増えて全27試合となった15年シーズンも、20代から40代までにキングへのチャンスがある「戦国時代」の様相となりそうだ。
 孔明は、7月の全英オープン(セントアンドリュース)など海外メジャーや米ツアーに積極参戦する意向。日程的には厳しくなるが「(国内)メジャーを勝って、最多勝で賞金王を取りたい」と、04~06年の片山晋呉以来ツアー史上4人目の2年連続賞金王への挑戦を宣言した。

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藤田 寛之

 昨年、左肩痛を抱えながら最多の3勝を飾った藤田寛之(45)=葛城GC=は静養中。粘り強さが際立つ通算18勝の12年賞金王に、完調なスイングが戻れば打倒・孔明の筆頭だろう。通算28勝の永久シード保持者・片山晋呉(41)=フリー=、日本シリーズJTカップなど昨年2勝をつかんだ宮本勝昌(42)=ハートンホテル=も豊富な経験と勝負強さで、40代賞金王の可能性を感じさせる。
 30代には実力者がひしめく。3年ぶりの6勝目を挙げて自己最高の賞金ランク3位となった近藤共弘(37)、未勝利ながら同8位に食い込んだ谷原秀人(36)=ともにフリー=はともにパット巧者で安定感抜群だ。磨き上げた小技で日本ツアー選手権を制して一躍ブレークした竹谷佳孝(34)=エー・エム・エス=、国内開幕戦の東建ホームメイトカップ覇者・宮里優作(34)=フリー=も充実期を迎えている。

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池田 勇太

 若手も黙ってはいない。現職の選手会長として初めて国内最高峰のメジャー、日本オープンを制した池田勇太(28)=日清食品=も史上初の「賞金王選手会長」の座を狙う。米ツアーに参戦しながら昨年ともに国内1勝を挙げた09年賞金王・石川遼(23)=カシオ=、13年賞金王・松山英樹(22)=LEXUS=の世界規準のプレーは必見だ。ともに米ツアー進出を目指す岩田寛(33)=フリー=、小平智(25)=Admiral=は、出場試合数が気になるところだが爆発力を秘める。新星では、昨季のチャレンジツアーで2勝した同ツアー賞金王・今平周吾(22)=フリー=に注目だ。
 大物外国人もやってきそうだ。昨年12月の最終予選会4位で、今季出場権を手にした09年全米プロ覇者のY・E・ヤン(42)=韓国=。アジア初の海外メジャー覇者が9年ぶりに主戦場を米国から、過去4勝の日本へ戻す見込み。加えて、昨秋は13年マスターズ王者アダム・スコット(34)=オーストラリア=、14年マスターズ王者バッバ・ワトソン(36)=米国=ら、日系企業と契約する大物外国人の参戦も相次いだ。今季も参戦が予想され、世界レベルの熱戦が身近に見られそうだ。