2015年 日本女子プロゴルフツアーの展望 榎本友一


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アン・ソンジュ

 2014年の女子プロゴルフの日本ツアーは、韓国のアン・ソンジュ(27)=モスフードサービス=が、抜群の飛距離と巧みな小技を兼ね備えて5勝を挙げ10、11年に続く3度目の賞金女王の座に返り咲いた。右手首痛を抱えるが、昨夏出会ったコーチのキム・ソンホさんの支えもあり、15年も女王争いの大本命の地位は揺るがない。
 今季は全37試合で、賞金総額は歴代最高額の33億3300万円に上る。強力な外国勢が立ちはだかる。日本女子オープン、LPGA選手権リコー杯のメジャー2冠を獲得した台湾のテレサ・ルー(27)=太陽生命=。3勝で賞金ランク3位のイ・ボミ(26)=マスターズGC=も「初の賞金女王」を目標に掲げている。

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成田 美寿々

 2年ぶりとなる日本人賞金女王への期待が大きいのが、成田美寿々(22)=オンワードホールディングス=だ。精度の高いアイアンショットで5月のメジャー、ワールドレディスサロンパスカップなど3勝を挙げ、日本人最上位の賞金ランク5位に入った。勝ち方を知る歴代女王達も復権の気配を漂わせる。06年賞金女王・大山志保(37)=大和ハウス工業=、07年賞金女王の上田桃子(28)=フリー=、13年賞金女王の森田理香子(24)=リコー=は昨年いずれも優勝し、2度目の女王へ静かに牙を研いでいる。

 
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鈴木 愛

 昨季は9人の新たな優勝者が誕生した。その中にも、女王へと一気に上り詰めそうな若手がいる。攻撃的なゴルフでメジャー、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯で大会最年少Vを飾った鈴木愛(20)=フリー=。同じく初優勝し、イーグル女王となった渡辺彩香(21)=ユピテル=は平均270ヤードの世界規準の飛距離で「複数回優勝」を狙う。
 また、「ポストさくら」も大きな見所だ。昨季まで11年間で通算23勝を挙げた横峯さくら(28)=エプソン=が、米女子ツアーへ主戦場を移す。獲得賞金10億円を突破した、人気と実力を兼ね備えた横峯の穴を誰が埋めるのか。候補は多い。昨季未勝利ながら賞金ランク9位となった原江里菜(27)=NEC=は観客の人気も高く、7年ぶりの2勝目をつかめれば一気に花開く可能性を秘める。一方、父・公康氏(51)がプロ野球ソフトバンクの監督に就任した工藤遥加(22)=ナック=は、初V&初の賞金シード入りを目指す。

 初優勝を狙う選手にも新ヒロイン候補は多い。昨年、プレーオフで2度敗れた香妻琴乃(22)=サマンサタバサ=は愛らしいルックスで人気も抜群。ニチレイレディス2位で、ルーキーイヤーにシードを獲得した道産子美女・藤田光里(20)=レオパレス21=も、持ち味の飛距離で飛躍を期す。
 アマチュア勢の戦いも見逃せない。4月のKKT杯バンテリンレディスで、ツアー最年少記録&史上4人目となるアマVを飾った勝みなみ(16)=鹿児島高1年=。持ち前の冷静さと強気なパットで、ツアー初の「アマ2勝目」に挑む。勝とともに昨年、「アマ旋風」を巻き起こした堀琴音(18)=フリー=、柏原明日架(18)=UMKテレビ宮崎=はプロとして本格参戦1年目を迎え、どこまで結果を残せるか。「スマイル・クイーン」の愛称を持つ11、12年韓国ツアー賞金女王キム・ハヌル(26)=韓国=も、最終予選会13位となり、日本ツアー本格参戦を果たす。国際色豊かな女の戦いは、今年も百花繚乱(りょうらん)の様相だ。