石川遼、秘密の日記「ゴルフノート」自分と向き合う時間が息抜きに


日本シリーズの閉会式後、フォトセッションで賞金王の横断幕が掲げられバンザイする今平周吾と笑顔の出場選手たち

日本シリーズの閉会式後、フォトセッションで賞金王の横断幕が掲げられバンザイする今平周吾と笑顔の出場選手たち

 今年のゴルフ日本シリーズJTカップも面白かった。上がり3ホールで劇的にスコアが動く東京よみうりCC。優勝した小平智のピンを狙うプレー。気づけば上位にいるポーカーフェースの黄重坤。ダブルボギー発進から猛追を見せた石川遼。プレーオフまでもつれた3人の優勝争いは見応えがあった。

 最終戦の日本シリーズは大会後に出場者全員が18番グリーン上に並び、1年の感謝の気持ちを伝える。今年は来場者が至近距離で写真撮影できる機会を作った。ファンサービスを大切に考える石川選手会長のアイデアだった。

 会長業に追われたシーズンだった。練習量も減ったと聞いていた。それでも周囲に弱音を吐くことは一度もなかったという。3日目終了時に、石川を追った。雑談のトピックは息抜きについて。答えは「ゴルフノート」だった。米ツアーに本格参戦した13年に始めた習慣。A4サイズのノートは10冊を超えた。「絶対に誰にも見られたくない」という石川の全てが記された秘密の日記。一人になり、ゴルファーとしての自分と向き合う時間が息抜きになっている。

 ある若手カメラマンの石川評は「昔のような派手なガッツポーズはなくなったけど、やっぱり撮っていて楽しい。ファンがついて回る理由が分かる」。16歳でプロ転向。メディアの先にはファンがいることを、当時から誰よりも意識していた。毎日取材に応じ、ゴルフの魅力を世間に伝えようとした。

 112年ぶりに復活したリオ大会に続き、東京大会でもゴルフは行われる。出場するには世界ランクを基に算出される五輪ランクで日本人上位2人に入らなければならない。「入れるように頑張りたい。自分にもチャンスがあると信じている。来年は非常に気合の入った1年になる」。会場は石川の地元・埼玉県の霞ケ関CC。日の丸を背負い、ファンの声援に応える石川を想像するのは楽しい。(記者コラム・高木 恵)

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