テレビ局と日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の放映権問題で、来季の試合が1増3減となったことについて、比嘉真美子(25、LPGAプレーヤーズ委員会委員長)=TOYO TIRES=と有村智恵(31)=日本HP=が19日、都内で取材に応じた。有村は11月に問題が報じられた際に、LPGA理事から「(報道は)全部ウソだ」と言われたと告白。今回の試合減発表を受け、「裏切られた」と胸中を明かした。約50選手からは3大会存続を求める声が上がっており、今後LPGAに交渉継続を求めていく。
実績のあるツアーの看板選手2人から声が上がった。比嘉と有村はこの日、年間表彰式後に約30人の報道陣の前で口を開いた。11月のTOTOジャパンクラシックの開幕前日、試合減などの報道について不安に思った有村は「選手の収入にも響くし、テレビ放送がなくなればスポンサーにも影響が出る」とLPGA理事に質問したという。その時は「(LPGAの)放映権取得の動きなどない。出ている記事は全部ウソだ」と言われた。だが、18日の発表で放映権絡みで地元・熊本、高校時代を過ごした宮城を含む3大会が消滅することを知り、「すごくショックだし、裏切られた気分」と肩を震わせた。
選手には18日夕方、LPGAからメールで来季日程と放映権問題に関する文書が届いた。3大会中止の明確な理由は書かれておらず「期限までに(日テレ系局に)同意していただけなかったので中止になった」との記載のみだった。有村は「LPGAにずっと説明を求めてきた。きちん対応してもらえず、不信感は強い。困惑している」と話した。
10、11月とプレーヤーズ委員会で2度、問題について質問書を作成し、LPGAに提出。だが、「選手はいいプレーをして、皆さまに笑顔を届けること」と相手にされず。「ゴルフ界発展についてどう考えているか?」との質問にも「守秘性が高い」との回答のみだった。比嘉は「私たちの属するツアーの問題なのに、突き放される。選手との温度差を感じた」と憤りを隠さない。
50人ものツアー選手から「中止になった3大会について、もっと協議を継続してほしい」との声が有村らの元に届いたという。プレーヤーズ委員の任期は今月末までで「来年の委員長に引き継ぎたい」と比嘉。ツアー14勝の有村も「3大会中止はすごく大きなこと。まだ中止理由に全員は納得していない」とした。説明を求め、今後はこれまでなかった選手会立ち上げの可能性も示唆した。テレビ局、選手との意見交換もなく、会長を中心に強引に約1年で押し進めてられてきた放映権問題。試合数減という形で、働く機会を奪われた選手たちの悲痛な訴えは事態打開の原動力となるか。