国内プロゴルフツアーの各大会スポンサーなどで構成する、日本トーナメント振興協会(GTPA)が日本女子プロゴルフ協会(LPGA)に対し、27日付で「申し入れ書」と題した“抗議文”を送付したことが27日、分かった。18日のLPGAの来季日程発表会見における小林浩美会長(55)の発言が事実と異なるとして、各大会主催者から異議を申し立てる声が噴出し、LPGAに回答を求める異例の事態となった。
関係者によると、18日の記者会見後「小林会長の発言は事実と異なり、賛同できない」という大会主催者からの声がGTPAに数多く寄せられたという。主張は4点。
〈1〉「36大会が全て放映権に合意した」との発言。LPGA側は「今月13日までに開催協約書を提出しない場合、来季開催について発表しない」という強硬姿勢を見せた。それで日テレ系3大会は「来季中止」とされTBS系、フジテレビ系など他局主催大会は「20年までの継続審議」などさまざまな条件をつけて提出。そのため多くの大会は「放映権の(LPGA)帰属については合意していない」という認識だ。小林会長が19年開催全大会主催者が放映権に合意したかのように連呼したことは事実と異なるという。
〈2〉「日々努力して卓越した技術をトーナメントで披露している選手の肖像に価値がない、と一部の主催者が主張している」との発言。こうした主張をした主催者は実在しないという。
〈3〉小林会長は会見でネット配信業者と一括契約し、来年3月の開幕戦からネット中継を開始する考えを表明。ただし、配信権の帰属が継続協議となっている大会が多く、セールスする際には主催者の事前了承が必要になる。
〈4〉放映権料の徴収を巡って小林会長は「放映権料は取るつもりはありません」と話す一方で、「放映権は権利料を徴収できる権利」とも発言。GTPAは、放映権料についての考えなど4点の見解と主催各社との誠実な協議を求めていく。
◆宮城テレビ継続開催、来週にも協議再開へ
LPGAが「来季開催中止」と発表した「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン(利府GC)」について、早ければ来週にも主催者側と協議が再開されることが27日、判明した。25日付で国内女子のトップ選手約70人が連名で、来季大会開催継続に向けた極めて異例の「お願い状」を3大会の放送局に対して提出。それを受けて宮城テレビは26日、LPGAに交渉再開を申し入れていた。
◆一般社団法人トーナメント振興協会(GTPA) 1991年3月創立。所在地は東京都港区。元TBS社長の石原俊爾氏(73)が理事長を務める。ゴルフトーナメントの振興支援をはかるため、ゴルフトーナメントに関わる男女主催者、テレビ局、広告会社、トーナメント運営会社などの多くの企業と連絡調整をはかり、関係機関を支援する法人。98年以降毎年、国内男女ツアーの「新人賞」を表彰している。