◆女子プロゴルフツアー ヨコハマタイヤPRGRレディス第1日(15日、高知・土佐CC)
ツアー通算2勝のパット巧者・勝みなみ(20)=明治安田生命=が6バーディー、3ボギーの3アンダー、69をマーク。1月から施行された新ルールの旗竿(ざお)を抜かないパットを実戦初導入し、グリーン上で復調して首位と2打差の5位と好発進した。ツアー1勝の葭葉ルミ(26)=富士住建=が5アンダーで単独首位。
穏やかな日差しの中、土佐湾の水面(みなも)に負けじと勝の笑顔が輝いた。新ルールを生かしたパットで流れを変えた。4番で6メートルのパーパットを外してボギーが先行。5番から旗竿を立てたままのパットに変更し、5番と6番で4メートル、7番で3メートルを沈めて伸ばすと、8番は旗竿を抜いて3メートルを決めて4連続バーディー。11番でも旗竿を立てたまま5メートルを沈めて伸ばした。
「ずっとパットが入らなかったので、5番で旗竿を挿したまま打ってみました。初めてでしたけど、いい気分転換になってバーディーが取れたので7番まで挿したままで。8番は影がライン上で気になったので、抜いて打ちました。今日は楽しくラウンドできましたね」と今季初のアンダーパーに笑顔がはじけた。
前週の開幕戦。ショットは好調も芝目の強い高麗グリーンに苦しみ、パットが不調で予選落ち。昨季の1ラウンドあたりの平均パットは28・2762で堂々のツアー1位。パット巧者は開幕戦は昨年までと同様、旗竿を抜いてプレーしていたがこの日、大矢真一キャディーと「どうせ入らないなら気分転換に」と話して5番からぶっつけ本番で旗竿を立てたままのパットを実戦初導入した。「このオフも練習はしていなかったですね」と笑ったが、祖父・市来龍作さん(79)と幼少時に一緒にラウンドする時は「早く回るために、旗竿を抜かずにプレーしていました。それで慣れてはいたので大丈夫でした」と勝。この日、応援に訪れた祖父も孫のバーディーラッシュに拍手を送った。
16日は風が吹く予報だ。「今日の後半も風が強くてバタバタと旗の音が気になったので、明日は抜いて打つと思います。楽しく粘り強いゴルフができたら」。新ルールも味方につけ、昨年11月以来の3勝目をたぐり寄せる。(榎本 友一)
◆旗竿に関する新規則 プレー時間の短縮を目的に今年1月1日から施行。昨年まではグリーン上のパットで、立っている旗竿に当てると2罰打だったが、今年から無罰に。選手は打つ前に、立てたままプレーするか抜くかを選択できる。ルール変更により、今季は世界的にロングパットや下りのパットの際は、旗竿を抜かないままプレーする選手が増加している。