◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 第1日(2日、愛知・名古屋GC和合C、賞金総額1億2000万円、優勝2400万円、観衆6877)
通算11勝の宮本勝昌(46)=ハートンホテル=が5バーディー、1ボギーの4アンダー、66をマーク。貞方章男(40)=アイダ設計=、ピーター・カーミス(37)=ギリシャ=と並び、ツアー「令和初日」に首位発進を決めた。
4月のマスターズで、11年ぶりのメジャー優勝を遂げたタイガー・ウッズ(43)=米国=と同モデルのボールを投入し、「東洋のマスターズ」と呼ばれる難コースを攻略。石川遼選手会長(27)=カシオ=は、腰痛の影響もあり11オーバーの107位と出遅れた。
流行に敏感な日本タイトル5冠の46歳が、令和初日に復活ののろしを上げた。20年連続22度目の出場の宮本は、グリーン上が好調でリーダーボードを駆け上がった。「テレビも新聞も、令和初のニュースばかりで。令和1発目に頑張ったら載せてもらえるかな、とたくらんでいました(笑い)」と報道陣に囲まれるとほおを緩めた。
前戦の最終日から変更した「アームロック式」のパットが奏功した。昨年からマット・クーチャー、ブライソン・デシャンボー(ともに米国)らが結果を残し、世界のツアーで大流行中のスタイル。宮本は39インチの中尺用の長いパターのシャフトに、左腕とほぼくっつけて固定して打つ。「3月の葛城GC合宿で研修生が使っていて。借りて構えたら意外といけるな、と」
5番で6メートルを沈めて伸ばすなど計27パット。硬く小さなグリーンと、不規則に強く吹く風でツアー屈指の難コースを前に、投入した新兵器も効果絶大だった。4月のマスターズでウッズが優勝する姿を深夜にテレビ観戦。「心を打たれましたね」。奇跡的なカムバックを果たした同じ40代の雄姿に刺激を受け「これは使わなきゃと思って」と、同じブリヂストンスポーツ社と契約する同選手の使用球「ツアーB XS」でプレー。東洋のマスターズの異名も持ち「グリーンも硬くて、風もあったのでスピンがよく利いて助かった」と“タイガー効果”に感謝した。
昨季は出場22戦中、13戦で予選落ちなど99年以来のシード陥落。師匠の芹澤信雄(59)は「このオフはここ5、6年で一番練習していた」とシード復帰にかける強い思いを指摘する。ホールアウト後、令和初のヒーローインタビューに呼ばれ「自信にもなるし、まだまだやれるぞっていう気持ちになります」と宮本。17年7月以来の優勝で、ウッズと同じくド派手な復活劇を演じる。(榎本 友一)