鈴木愛、コースレコードで「100点」首位発進…2週前にタクシー交通事故で腰に不安


1番でティーショット放つ鈴木愛。コースレコードの65をマークし、初日7アンダーで首位に立った(カメラ・今西 淳)

1番でティーショット放つ鈴木愛。コースレコードの65をマークし、初日7アンダーで首位に立った(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー パナソニックレディース第1日(3日、千葉・浜野GC=6566ヤード、パー72)

 平成最後の日本人賞金女王(平成29年=2017年)の鈴木愛(24)=セールスフォース=が1イーグル、5バーディーの7アンダー65で、令和初のツアーで単独首位発進。これまでの女子のコースレコード(95年富士通レディース1Rの福嶋晃子ら)の66を1打更新した。2週前に交通事故に遭った影響で腰に不安を抱える中、令和元年の女王返り咲きを狙う実力者が幸先良く滑り出した。

 元号が変わっても、ツアーの主役は渡さない。日本人エースの鈴木は6番で3メートル、7番で5メートルのバーディーを決めると、圧巻は8番パー5だ。残り68ヤードからウェッジで奥1メートルからバックスピンをかけてカップに入れ、イーグルを奪った。後半にも2つ伸ばし、浜野GCでの女子のコースレコードを更新する65を記録。「ティーショットとパットが両方いいのは、今年なかったので100点」と納得の表情を見せた。

 「自分の人生で初めて元号が変わる」。2年前に日本人では森田理香子以来4年ぶりに賞金女王に輝いたが、昨年、アン・ソンジュ(韓国)にその座を奪われ3位となった。「5勝&賞金女王」を目標に掲げた今季は3月のPRGRレディスで初勝利(通算10勝目)を挙げ、賞金ランクも3位(約2737万円)につける。

 だが、連戦続きで休養に充てた2週前、都内でタクシーに乗車中に交通事故に巻き込まれ、腰を痛めた。「また(試合に)出られないのかな」。昨夏には右手首の負傷で2か月の離脱を経験しただけに、不安がよぎった。現在は練習量をセーブしながら調整し「日に日に良くなったり悪くなったりを繰り返している。ずっと(腰に)誰かが乗っているような」状態だという。

 ただ負傷はあっても、「いい意味で(余計な事を)考えなくなり、気軽にできている。(パットが入らず)怒ると体に負担がくるので、これくらいがちょうどいい」とプラス思考で乗り切る。前週は最終日に2位に追い上げた際、「途中でキャディーさんに『ピンを挿したままパットしたら』と言われてイメージが良くなった」といい、この日も6番から実践した。「また新たな元号でたくさん勝ちたい」。令和初のツアーを制し、女王奪還へ向かう。(岩原 正幸)

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